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相続手続き発生後、他の相続人や専門家から「遺産分割協議証明書」という書類が送られることがあります。きちんと確認せずに対応すると相続できるはずだった財産がもらえなくなってしまうことも。押さえるべきポイントをみていきましょう。

署名、押印のときの注意点

署名や押印は、正確に行いましょう。不備があると手続きは進みません。金融機関や証券会社によっては、相続手続きに使う戸籍や印鑑証明書に期限が決められているところもあります。手続きが遅れると、書類を取り直す必要も出てきますが、記入するときに、以下のポイントを押さえておくなら不備なく書類を作成できます。

 

住所や氏名は印鑑証明書や戸籍を見ながら記載

住所や氏名は公文書通りに書きます。時々、戸籍で使われている字と、自分が普段使っている字と異なることがあります。たとえば、「髙」と「高」といった漢字です。迷ったときは、戸籍に合わせて記載しておけば間違いありません。住所もできるだけ省略せずに、印鑑証明書に書いてある通りに記入しましょう。

 

印鑑を押すときは、印鑑証明書を確認して実印で押印

印鑑は、実印を使います。理由は、実印以外の印鑑では、その後の手続きが進まないからです。たとえば、不動産の相続登記では、相続人全員の実印に印鑑証明書を添付することが求められます。

 

時々、自分では実印だと思っていたが、実は銀行印だったということがあります。押印する前に、印鑑証明書の印影を良く確認してから押すようにしましょう。印鑑が欠けてしまった。滲んでしまった。こんなときでも、焦らないで大丈夫です。うまく押せなかったときは、その横に重ならないようにもう一度押せば、有効な書類として扱われます。

 

署名押印後の書類は、書留か追跡郵便で郵送しておくなら安心

郵送するときは、紛失のリスクを減らす方法で送りましょう。遺産分割協議証明書は、とても大切な書類で、その送付の際にはより重要な書類である印鑑証明書の同封も求められることも多いです。失くしてしまうと、手続きはやり直しです。書類を悪用される恐れもあるので、紛失の危険が高い普通郵便ではなく、書留か追跡機能がついた郵便で送るのが賢明です。念のため、コピーをとって手元においておくなら、後日トラブルが起きたときの証拠となります。

遺産分割協議証明書…書類の内容を細かくチェックを

遺産分割協議証明書が送られてきたときは、自分が取得する財産と他の相続人が取得する財産に注目しながら、内容を1つひとつ確認し、不明点は書類を送ってきた人に質問しましょう。きちんと納得してから署名押印すると満足いかない結果にストレスを感じずに済みます。

 

相続できる財産が少ない。不公平かもしれない。このような疑問を感じるときには、相続財産の評価を専門家に依頼しましょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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