軟調地合いの日本株式市場
<避けられない米国株式市場の影響>
■先週(8月29日~9月2日)の日本株は、米国株の大幅調整基調の影響を受けて前週比で下落しました。TOPIXは前週比▲2.5%、日経平均株価は同▲3.5%でした。
割安圏が続く日本株式市場
<2010年以降の割安ゾーンから抜け出せず>
■頭の重い日本株ですが、バリュエーションは割安圏にあります。TOPIXの予想PERは9月2日現在12.3倍と、割安圏の目安の一つである2010年1月以降約12年間の平均値から1標準偏差(σ)下方に乖離した水準に位置しています。ただ、予想PERが12倍台を付けたのは1月27日ですので、以後7ヵ月間にわたり12~13倍で推移していることになり、日本株は割安圏にとどまったままの状態とも言えます。
グローバル経済を巡るセンチメントの好転を耐えて待つ展開
■8月下旬以降の米国株の下落に対して日本株の下落が限定的なものにとどまっている背景として、①日本株の予想PERが割安圏にある、②日本株のリビジョン・インデックスで確認されるように、業績が緩やかな改善基調にある、といった点が指摘できそうです。過去に、予想PERが12倍台前後に留まり続けた局面は2011年や2012年、2019年などで確認され、外部環境が不透明であれば割安圏での推移は長期化しやすいと考えられます。
■弊社は、米国経済は23年前半まで潜在成長率を下回る低成長となり、日本経済も減速すると見ています。一方、名目成長率は比較的安定した水準が期待できそうです。企業業績見通しも若干の減速は避けられないと思われますが、株価を支えることは可能と考えられます。
■グローバル経済は不透明感の強い状況ですが、年末に近づくにつれ景気の底入れに対する期待が強まると思われます。当面はグローバル経済を巡るセンチメントの好転を耐えて待つ展開となりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本株式市場は割安圏で落ち着いてしまうのか【専門家が解説】』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社