政策金利は2.35%に引き上げ
■9月6日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利を0.5%引き上げて2.35%としました。利上げおよび利上げ幅は市場の予想通りでした。RBAはインフレ率を物価目標の範囲に収めるべく、今年5月以降利上げを継続していますが、未だ豪州のインフレ率は1990年台初頭以来の高水準にあり、今後数ヵ月でさらに上昇して、年内にピークを迎えると見られています。
3四半期連続のプラス成長
■9月7日に発表された豪州の4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+3.6%と、前期の同+3.3%や市場予想の同+3.4%を上回る堅調な伸びとなりました。経済再開の動きが続く中で宿泊・飲食サービス等の家計消費が高い伸びとなったほか、コロナ規制の緩和に伴う旅行・輸送サービスや資源輸出等が成長をけん引しました。
■また、先月発表された7月の失業率は+3.4%と歴史的な低水準にまで改善しています。求人や求人広告が高水準にあることから、RBAは失業率が今後数ヵ月で一段と低下すると見ているものの、その後は利上げ等の影響により、経済成長率は鈍化し、失業率もいくらか上昇すると見ています。
資源需要や雇用環境に支えられ、豪州経済や豪ドルは堅調さが続くだろう
■6日の会合後、為替相場は豪ドル高・円安となり、8日朝時点で1豪ドル=97円台前半となっています。ただしこれは、6日以降急速に米ドル高が進行していることに連れたもので、豪ドルの対米ドル相場で見ると豪ドル安となっています。根強い資源需要や良好な雇用環境、コロナ下で積みあがった貯蓄などを背景に豪州経済は堅調さを維持すると見られます。RBAは、インフレ抑制のために今後も利上げを継続することを示唆しているため、豪ドルの対円相場は堅調に推移すると見込まれます。
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三井住友DSアセットマネジメント株式会社