(※写真はイメージです/PIXTA)

「足の速さは、もって生まれた才能である」と考える方も多いかもしれませんが、誰しもが速く走れる可能性を秘めていることが近年の研究で明らかになってきました。ジャマイカでウサイン・ボルト氏とトレーニングした経験を基に「走りの学校」を創設した和田賢一氏の著書『走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック』から一部抜粋し、「誰でも足が速くなる走り方」について解説します。

学校授業における「水泳」と「走る」の決定的な違い

和田 お父さん、25m泳ぐことはできますか?

 

父親 はい、得意な泳ぎ方であれば。

 

和田 なぜ泳げるのでしょうか?

 

父親 えっ。学校とスイミングスクールで普通に習ったからですよ。

 

和田 泳ぎ方を習わなかったらどうでしょうか。

 

父親 うーん、今も泳げないと思います。

 

和田 そうですよね。僕たちのほとんどは、いきなりは泳げません。習うことで、泳げるようになります。適切な指導を受ければ、まったく泳げないという子どもはほとんどいないのではないかと思います。

 

これは水泳に限ったことではありません。呼吸や排泄などの生命維持に関わる活動は別として、自転車、かけ算、PC操作など、僕たちができることの大部分が「もともとはできなかったけれど、段階的に習うことで身につけたこと」なんです。

 

ここでお父さんに質問なのですが、「走り方」って習ったことはありますか?

 

父親 えっと……スタートの仕方くらいですかね。クラウチングスタートとか。

 

和田 走っている最中の動きはどうでしょうか?

 

父親 うーん……記憶がないですね。そもそも走り方って、習うものという認識はないですね。「走れ」って言われれば、ほとんどの人は普通に走れるわけですし。

わたしたちは学校で「走り方」を習っていない

和田 そこなんです。走り方を習う機会というものが、僕たちにはほとんどなかったんです。『小学校学習指導要領解説・体育編』では、水泳のクロールに関して

 

「手を左右交互に前方に伸ばして水に入れ、水を大きくかくこと」

 

「柔らかく足を交互に曲げたり伸ばしたりして、リズミカルなばた足をすること」

 

「肩のローリングを用い、体を左右に傾けながら顔を横に上げて呼吸をすること」

 

といった、比較的詳しい記述があります。また、多くの方が、水に顔をつける、浮く、バタ足といった基礎を、段階的に学んだ経験があるのではないでしょうか?

 

一方、走り方については

 

「いろいろな走り出しの姿勢から、素早く走り始めること」

 

「真っ直ぐ前を見て、腕を前後に大きく振って走ること」

 

「体を軽く前傾させて全力で走ること」

 

といった記述はありますが、肝心の走り方、つまり走行中のフォームについては具体的な説明がないんです。

 

つまり、泳ぎ方は詳しく習うのに、走り方はしっかりと習わずに幼少期を過ごすんです。だから、足の速さは個々人の才能として片付けられてしまう。しかし、走り方を習って身につけてさえしまえば、今よりも確実に足は速くなります。

 

父親 そうおっしゃいますが、実際のところ習う機会の有無は問題じゃないのでは? 走り方を習わなくても私たちのほとんどが走れるわけですし。

 

和田 お父さんのおっしゃること、よくわかります。実は僕も、そう思っていたんです。ジャマイカで、走り方には大きく2種類あるということを知るまでは。

 

父親 走り方には2種類ある……?

 

疑いを捨てきれずにいろいろな質問をしたが、それに対する答えには筋が通っている印象を受けた。だが、まだそこまで深く納得できたわけではないというのが正直なところだ。

 

この2種類の走り方を聞けば、足の速さの核心に近づけるのだろうか。

 

和田 賢一

走りの学校 校長

 

走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック

走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック

和田 賢一

KADOKAWA

YouTube登録者数14.7万人の【走りの学校】校長・和田賢一が伝授! ジャマイカでウサイン・ボルト氏とともにトレーニングした経験を基に構築した至高の理論。走りには「ランニング」と「スプリント」の2種類あることから始まり…

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