本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が9月1日に配信したレポート『マクロ見通しー現実味を増すインフレ加速と景気後退』より一部を抜粋したものです。

10年前の「欧州債務危機」再来か

欧州が直面している苦境の1つは、ドイツとイタリアのソブリン債の利回り格差の拡大です。ECBが利上げを積極化すればするほど、不安定なイタリア経済をめぐる懸念は強まり、イタリアの利回りは一段と上昇します。

 

こうした状況に拍車をかけているのがイタリアのマリオ・ドラギ首相の辞任です。これにより欧州第3位の経済大国イタリアの政局をめぐる不透明感が広がっています。ドラギ氏は前ECB総裁としてEUの機能不全への対応の仕方を心得ています。

 

これに対し、ドラギ氏の後継者として有力視されているのがジョルジャ・メローニ氏ですが、同氏はベニート・ムッソリーニのファシズムの流れをくむとされる「イタリアの同胞(FDI)」の党首を務めています。

 

1つのプラス材料となり得るのが「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」です。TPIによりイタリア債の買い入れを通じて利回りを押し下げることが可能です。

 

しかし、TPIが有効に機能するかどうかについてはあいまいな点があります。ECBのプレスリリースには「不当かつ無秩序な市場の動きに対応するために」証券の買い入れを行うことができるとしか記載されていません(注3)。

 

何が正当かを誰が決めるのでしょうか? ドイツなどの緊縮財政国でしょうか? ソナルやフランシスからすると、これは明らかに10年前の欧州債務危機の再来です。様々な意味で欧州の夏は暑くなりそうです。

 

注3:(出所)欧州中央銀行、「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」、プレスリリース、2022年7月21日。

 

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