(※写真はイメージです/PIXTA)

中小企業を活性化する「両利きの経営」へ向け、新規事業に取り組もうにも、どこから手をつけるべきか迷う経営者の方は多いでしょう。新規事業創出へ向けたアプローチには様々な方法があります。多角的な視点を頭に入れたうえでの構想は、最適な方向性や戦略を得るために効果的です。ここでは、多角的な視点の重要性を解説します。※本記事は『中小企業の両利きの経営』(ロギカ書房)を抜粋・大幅に再編集したものです。

中小企業に求められる「未来へ向けた、多角的な視点」

中小企業が新規事業を構想する際には、企業それぞれに様々な背景があるに違いありません。このため取り組み初期の段階で、多角的な視点を認識し、最適なアプローチを取ることが重要と考えられます。

 

書籍『中小企業の両利きの経営』では、多くの著者が得意分野に基づく10の視点を提供しています。そのなかで、土台となる考え方は下記の①~④、(内部での)実践的な視点は⑤~⑧、外部連携的な視点は⑨~⑩となります。

 

【土台となる考え方】

 

①成長戦略の必要性

②組織のあり方

③イノベーション戦略

④見えない資産活用

 

【実践的な視点】

 

⑤新事業創出の5ステップ

⑥新事業開発手法

⑦第二創業

⑧DX戦略

 

【外部連携的な視点】

 

⑨フランチャイズ契約活用

⑩M&A

 

ここでは、上記視点のなかから重要な3項目について説明しましょう。

新規事業開発手法:「デザイン思考・仮説検証」の活用

新規事業開発と言っても、どこから手を付けたらよいかわからない、あるいは迷ってしまうという方も少なくないと思われます。具体的なアプローチ方法として「デザイン思考」「仮説検証」の考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

◆デザイン思考アプローチ

デザイン思考アプローチは、優れたデザイナーが日常的に使用している、「人の行動を深く観察する」「ブレーンストーミングで大量のアイデアを出す」「素早くプロトタイプ(試作品)をつくる」といった手法を事業開発に応用するものです。

 

まずは顧客の行動を深く観察、共感し、そこに隠されたニーズや秘められた価値を見出します。

 

次に、なぜその人がそのような行動を取るのかという洞察を行い、課題へ変換します。出てきた課題に対しては、ブレーンストーミング等によりなるべく多くのアイデアを出し、有望なアイデアがあったら、手軽な方法で短時間にビジュアルイメージ(試作品)をつくります。

 

そして、人々の反応を確かめ、取捨選択の上、改善に向けてこれらを繰り返すのです。優れた商品やサービスを得ていくために有効な方法と考えられます。

 

◆仮説検証アプローチ

仮説検証アプローチは、仮説をもとに最低限の機能をもった製品・サービスを提案し、顧客の反応を見ながら改善もしくは方向転換を行うアプローチです。

 

大規模な事前調査をしないので、コストや時間を節約することができます。「小さく始めて、素早く、大きく育てる考え方」として活用していくと良いでしょう。

 

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中小企業の両利きの経営〈未来を創る10の視点〉

中小企業の両利きの経営〈未来を創る10の視点〉

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