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連載Q&Aでわかる緑内障の新常識【第5回】

【緑内障】お酒やコーヒーは飲まないほうがいい?眼圧が上がる飲みもの、食べもの(眼科専門医が解説)

緑内障

【緑内障】お酒やコーヒーは飲まないほうがいい?眼圧が上がる飲みもの、食べもの(眼科専門医が解説) (※写真はイメージです/PIXTA)

緑内障の進行には、食事や運動、生活態度が大きく関係しています。緑内障を悪化させないためには、何に気をつければよいのでしょうか? メディアでお馴染みの眼科専門医・平松類氏の著書『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)より、具体的な食べものや飲みものに関する注意点を見ていきましょう。

本稿を読む前に…

本稿ではQ&Aの根拠となる論文のエビデンス(科学的根拠)レベルをABCに分け、参考程度にとどめていただきたいDもふくめて評価しています(図表1・2参照。簡易的に分けているのであくまで目安とお考えください)。

 

出所:平松類著『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)
[図表1]本稿のエビデンスレベル(著者作成) 出所:平松類著『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)

 

出所:平松類著『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)より
[図表2]7つのエビデンスレベル(著者作成) 出所:平松類著『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)

Q1. 緑内障の人がチョコレートを食べてもいいですか?

⇒A. ダークチョコレートを適量食べる分には問題ありません。ただし、とりすぎと血糖の上昇に気をつけてください。

 

【エビデンスレベル:B~C】

チョコレートを食べると血流がよくなるといわれています。こういったお話をすると甘いチョコレートをたくさん食べてしまう人がいますが、糖質をとりすぎてしまう可能性があります。

 

前回記事でお話ししたように緑内障には砂糖がよくないわけですから、甘いチョコレートはよくありません。とくに市販されているミルクチョコレートやチョコレートを原料にした加工食品などは砂糖がたくさん入っているのでおすすめできません。

 

その一方で、チョコレートを食べると血流がよくなるのは健康な人だけで緑内障患者さんのように目の血流がもともと悪い場合にはそれほど作用がないという研究があります*1

 

したがって、チョコレートを食べるなら、ダークチョコレート(高カカオチョコレート)をちょっとだけにしておいたほうがよさそうです。

 

*1 Terai N, et al. The short-term effect of flavonoid-rich dark chocolate on retinal vessel diameter in glaucoma patients and age-matched controls. Acta Ophthalmol 2014;92(5):e341-5. doi: 10.1111/aos.12373. Epub 2014 Mar 16.

Q2. 緑内障にアルコールとタバコは影響しますか?

⇒A. タバコは血流を悪くするのでやめてください。アルコールは視神経が傷むので控え気味にしてください。

 

【エビデンスレベル:C&A】

緑内障にタバコはどうでしょうか? そう聞く人は「いいですよ」といってもらいたそうな顔をしています。しかし、申し訳ありません。やっぱりダメです。「タバコは眼圧を上げる*2」といわれています(⇒エビデンスレベル:C)。さらには血流を悪くします。とくに目の血管は細いので、タバコの血管を縮める作用が強くはたらき、緑内障の悪化の要因となります。

 

アルコールについては、「緑内障の進行度はあまり変わらない*3(⇒エビデンスレベル:A)」あるいは「少し眼圧が上がるのでは?*4(⇒エビデンスレベル:C)」というデータがあります。これらのデータを見ると、少なくとも大量のアルコールはおすすめできません。血管に負担を与えることになり、視神経が傷んで視野欠損が起こりやすくなります。

 

では、絶対にやめたほうがいいのか? 私は患者さんには「少量ならいいですよ」とお答えしています。とはいえ、少量のイメージは患者さんによってまちまち。ご家族から「かなり飲む人なので注意してほしい」といわれたこともあります。そこで、一つの指標として私は「週3日程度、1日に日本酒1合(180mL)、ビール1缶(500mL)程度」が目安になるとお伝えしています。

 

ただし、目薬のアイファガン®を処方されている人は副作用で眠気が増すことがあります。お酒を飲むときは少しずつ飲むようにしてください。一方、それほどお酒が好きではない人は、飲まないほうがおすすめです。緑内障とアルコールの関係性についてはYouTube動画でくわしく解説しているので、興味のある方はご覧ください。

 

*2 Yoshida M, et al. Association of life-style with intraocular pressure in middle-aged and older Japanese residents. Jpn J Ophthalmol 2003;47(2):191-8. doi: 10.1016/s0021-5155(02)00666-4.

 

*3 Saeed K, et al. Alcohol and the Eye. J Ophthalmic Vis Res 2021;16(2):260-70.doi: 10.18502/jovr.v16i2.9089. eCollection Apr-Jun 2021.

 

*4 Han YS, et al. Alcohol consumption is associated with glaucoma severity regardless of ALDH2 polymorphism. Sci Rep 2020;10(1):17422. doi: 10.1038/s41598-020-74470-6.

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    二本松眼科病院 副院長 医学博士、眼科専門医

    愛知県田原市出身。自身がドライアイであり克服した経験を持つ。医療コミュニケーションの研究のなかで患者さんが病気を知ることがより良い治療のために大切なことを知り、病気の知識をわかりやすく伝える活動を続ける。

    主な著書に『緑内障の最新医療』『黄斑変性・浮腫で失明しないために』『その白内障手術、待った!』(時事通信社)など多数。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などのメディア取材にも精力的に応じている。

    ●YouTubeチャンネル:眼科医平松類「二本松眼科病院」

    著者紹介

    連載Q&Aでわかる緑内障の新常識

    ※本連載は、平松類氏の著書『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識

    自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識

    平松 類

    ライフサイエンス出版

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