資産運用において、長期投資は値動きのばらつきを抑えられますが、リーマンショック級の暴落が起きたときにも、なんの対策もなしに保有し続けていると、それは「リスクをとりすぎている」といえます。では、どう対策したらよいのか? 株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と、同社CIOの山口雅史氏が「100万円を1年間投資した場合」を例に、わかりやすく解説します。

リスクをとりすぎていないか確認する方法

「バリュー・アット・リスク」で考える

自分がリスクを取り過ぎているか検証するのに役立つのが「バリュー・アット・リスク」の考え方です。バリュー・アット・リスクとは、資産を一定期間保有した場合、ある一定の確率の範囲内でどの程度損失が発生する可能性があるのかを統計的に測定した数値です。

 

図表では、100万円を1年間投資したときに1%未満の確率で失う可能性のある金額を掲載しています。逆にいえば、損失は99%の確率でこの金額の範囲内に収まるということです。この金額が高ければ高いほどリスクが高い資産だといえます。

 

[図表]100万円を投資した場合、1年間に1%の確率で失う可能性のある金額(バリュー・アット・リスク)

 

例えば日本株のインデックスであれば1%未満の確率で失う金額は20万円ですが、個別株では35万円になります。5倍のレバレッジを効かせたFXなら45万円で、暗号資産のビットコイン投資では85万円を失う可能性があるのです。

 

こうしたリスクを把握することも、リスクの適切なコントロールにつながると考えます。

 

なお、表内のバリュー・アット・リスクはすべて単一資産で算出しています。複数の資産を組み合わせた場合にはリスクが下がるため、バリュー・アット・リスクの金額も変わります。

 

 

岡野 大

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高経営責任者 CEO

 

山口 雅史

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高投資責任者 CIO

 

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※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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