(写真はイメージです/PIXTA)

相続した不動産を売却する際には税金がかかりますが、条件を満たし適用されると安く税金を抑えられる「特例」があると、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士はいいます。ではその条件とはどのようなものなのか、不動産売却時にかかる税金の算出方法をもとにみていきましょう。

不動産の売却時にかかる「譲渡所得税」とは?

一般的に、自己が所有する不動産を売却する場合に、譲渡益が出ると、譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、以下の計算式にて、算出されます。

 

「課税譲渡所得金額」の計算式

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)=課税譲渡所得金額

 

取得費‥土地や建物の購入金額(建物は減価償却費相当額を控除)等
譲渡費用‥不動産の売却に掛かった費用

 

不動産の所有期間によって税率が異なる…「譲渡所得税」の計算式

課税譲渡所得金額×税率=譲渡所得税

 

所有期間に応じて、長期譲渡所得と短期譲渡所得にわけられ、税率が異なります。

 

1.長期譲渡所得……所得税:15%、住民税:5%
2.短期譲渡所得……所得税:30%、住民税:9%

 

※土地や建物を売った年の1月1日時点で、その土地や建物の所有期間が5年を超える場合は、「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。

 

※確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになります(※)
※参照:国税庁HP「土地や建物を売ったとき」

 

上記のように、譲渡所得税の計算には、「取得費」がどのくらいの金額となるかが重要となります。

 

不動産売却時に使う「取得費」は原則故人のものを引き継ぐ

相続した不動産を売却する場合、「取得費」は、どう計算するのでしょうか? この場合には、原則として、被相続人の「取得費」を引き継ぎます。

 

※ただし、限定承認により、不動産を相続した場合を除きます。

※「限定承認」とは、被相続人の債務がどのくらいあるかわからず、財産が残る可能性もある場合等に、相続人が承継した相続財産の限度で被相続人の債務を相続することをいいます。

 

「限定承認」の手続を選択する場合は、相続があったことを知ったときから3ヵ月以内に、相続人全員で家庭裁判所に申述する必要がありますので、事前に弁護士に相談されることをおすすめします。

 

また、相続した不動産については、「取得費」に関し、一定の要件をみたせば、相続税の一部を加算することが可能です。以下で相続財産の「取得費」の特例を詳述いたします。

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】4月25日(木)開催
【税理士が徹底解説】
駅から遠い土地で悩むオーナー必見!
安定の賃貸経営&節税を実現
「ガレージハウス」で進める相続税対策

 

【資産運用】5月8日(水)開催
米国株式投資に新たな選択肢
知られざる有望企業の発掘機会が多数存在
「USマイクロキャップ株式ファンド」の魅力

次ページ「特例」適用のための条件とは…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧