(※写真はイメージです/PIXTA)

現在、海外に資産を持つ日本人は少なくありません。国内にない資産について「確定申告をしなかったら、国税庁にバレるのか」、本記事で確認していきましょう。

海外資産を持つ日本人、確定申告の必要はあるのか?

昨今のアメリカ株投資ブームにより、海外資産を持つ日本人が急増しています。アメリカ株を海外の銀行口座や証券口座で管理されている方も少なくないのではないでしょうか。

 

日本の資産であろうと、海外の資産であろうと、資産から収益を得た場合には確定申告が必要です。しかし海外の銀行口座や証券口座をお持ちの方の中には、確定申告をしていない方、あわよくばバレないのではないかと思っている方もいるでしょう。

 

ですが結論から言うと、日本人の海外資産は国税庁に把握されるものです。今回はそのワケについて解説していきます。

国税庁が「日本人の海外資産」を把握できるワケ

2018年より経済協力開発機構(OECD)の策定した国際基準「共通報告基準」(CRS:Common Reporting Standard)に基づき、非居住者の金融口座情報は、加盟各国と自動的に情報交換されるようになっています。

 

それ以前から海外の銀行口座や証券口座をお持ちの方は、このころから日本のマイナンバーとの紐づけが始まったのではないでしょうか。

 

2018年以降、新たに海外の銀行口座や証券口座を開設する方は、ほとんどの金融機関においてマイナンバーを登録しなければならなくなっています。海外の銀行口座や証券口座であっても、マイナンバーが紐づいていれば、国税庁は自動的に口座情報を入手できるということです。

 

OECDには約250ヵ国が加盟しており、CRSには主要先進国のほとんどのほか、オフショアと呼ばれるエリアの国も参加しています。

 

一方、「OECDに加盟しているがCRSには不参加」である国は約100ヵ国あります。日本人が多く投資をしている国の中にも、CRSへの不参加国はたくさんあります。東南アジアを中心にカンボジアやフィリピン、タイなどは参加していませんし、実はアメリカもCRSには参加していないのです。

 

CRSに不参加国の金融機関の口座でマイナンバーが紐づいていないとしたら、「もしかしたら申告しなくてもバレないのでは?」と思うかもしれません。しかし答えは「バレる」です。

 

というのも、CRSには不参加であっても日本と租税条約を締結している国はたくさんあります。OECDのCRSという仕組みを使っていなくとも、租税条約を締結している国であれば、国税庁は海外の金融機関の口座情報をいとも簡単に入手できるのです。

 

ではCRSにも参加しておらず、日本と租税条約も締結していない国、例えばカンボジアやモンゴルは?と思われるかもしれません。しかしこれも、隠し通すことはできません。

 

では、なぜバレるのでしょうか。

 

日本は海外への送金や海外からの送金受取に制限はありませんが、一定額以上の送金や送金受取には報告を義務付けています。100万円以上の送金や送金受取については金融機関が日本銀行に報告を義務付けていますし、3,000万円以上の送金や送金受取については、財務省への報告を義務付けています。

 

つまり、海外にある時点においてはバレていない資産を、日本で送金受取をしたときにバレるということです。

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