悩んだときは「土地勘のある立地」
自身の資産ポートフォリオから予算は決まったものの、どの立地で物件を購入するかについて迷った場合は、土地勘のある立地に絞って検討することも一手です。
不動産は安定した資産であるとはいえ、多額の投資となるため、特に初めての購入ともなれば不安が常について回ります。そうした場合に、以前に住んでいた場所や勤めていた場所、通った大学のある街など縁がある土地であれば、その土地の特性をよく理解できているため、大きな決断であっても少しは安心感があるはずです。
物件を獲得するために必要となるのは決断のスピードです。良い物件は往々にして争奪戦になりますが、検討に費やす時間が短ければ短いほど、ライバルに先んじて入手できる確率は高まります。土地勘がある地域の物件であれば、立地条件について迅速に判断することができ、購入の決断をスムーズに下すことができるのです。
一方で、土地勘のある地域のみに投資すべきかといえば、そういうわけでもありません。土地勘がある地域への投資に限ってしまえば、首都圏以外に居住する富裕層の人は投資戦略上で最も優れた都心一等地を手にすることができません。
あくまで最初の一棟を購入するためのハードルを下げるためであればということで、基本的には都心3区や山手線内の好立地物件を優先して首都圏の物件を購入していくべきです。
図表が示すとおり、東京23区はほかの都市と比較して地価が大幅に高く、かつ今なお上昇基調にある地域です。少子高齢化と首都圏一極集中が進むなか、新型コロナウイルス感染症の流行によるリモートワークブームを差し引いても、やはりこの傾向が廃れることはないと考えられます。
不動産投資による資産防衛の基本は、できる限り立地の良い不動産に投資を行い、安定した賃貸収益を得ることです。こうした首都圏の賃貸需要の底堅さこそが、資産防衛戦略を支えてくれることに間違いはありません。
鈴木 子音
株式会社有栖川アセットコンサルティング
代表取締役
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