旧サイトと新サイトを一気に統廃合するのは危険
「次にWEBサイトのリニューアル範囲ですが、コーポレートサイトとして全社的に管理されているホームページのみを対象とします。いくつかの商品で担当部門が立ち上げた商品専用サイトがありますが、それらはコーポレートサイトのリニューアルに伴い運用体制や運用ルールが確立してから、順次統廃合していくことにいたします」
「なぜ一遍にやらないんだ?」
「自分たちで立ち上げたサイトには思い入れがあるので、いきなりコーポレートサイトに統合するとなると反発する人も出てくるかもしれません。十分な調整をしないと反対勢力となり、コーポレートサイトのリニューアル自体の遅れや失敗につながります。
将来的には統合することを予告しつつ、ベースとなるサイトをリニューアルしているあいだに担当部門の意見を吸い上げるのです。それを基に、彼らが納得する運用体制とルール作りを行うほうが生産的ですし、後々禍根を残さずに済みます」
堀金社長は無言で大きく頷く。その様子を見た西田は一息入れて、追加の質問がないことを確認してから、次に進む。
BtoBなのに個人ユーザーを意識する!?
「続いてメインターゲットですが、これは御社商品のユーザーである製造業者です。具体的なプロフィールについては、プロジェクトが開始してから明確にします。
進め方としましては、まず顧客別売上ランキングを作成し、売上全体の80%を占める上位顧客を明らかにし、その共通点を調べます。さらに御社の差別化要因を組み込んで、どのような顧客に訴求するかを、ペルソナという形で具体化します」
「ペルソナとは何かな?」
「年齢・性別・地域・課題などを具体的に設定した人物像です。BtoBの場合は顧客企業とその担当者の両方のペルソナをつくります。ペルソナをつくる目的は、プロジェクトメンバーのあいだでターゲット像を食い違いなく共有することです」
「アクセスユーザーの分析で、弊社は個人ユーザーも多いということだったと思うけど、そちらはどうするのかしら?」
「いい質問ありがとうございます。いまからそれをご説明しようと思っていました。個人ユーザーもターゲットとして重視します。というのは、個人ユーザーにも売れている商品があることは、企業にとって大きなブランド価値があるからです。
ただ、現在のサイト構成では、法人と個人のどちらを向いているのかよくわからないという欠点があります。そこで、入口は法人向けと個人向けの2つに分けることにします。そうすることでコンテンツやナビゲーションを最適化するのです」
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