見る価値があるのは「お金がかかっている」情報
ひろ:成毛さんは、ほかにどんなテレビ番組を見ているんですか?
成毛:NHKのドキュメンタリーが多いですね。『サイエンスZERO』や『コズミックフロント』『BS世界のドキュメンタリー』とか。もちろん『NHKスペシャル』も見ていますよ。
ひろ:ああいう番組を見ていて思うのは、情報量の多さですよね。ネットの文字とは比べ物にならないですから。
成毛:そのとおり。情報量という点では、文字は映像にはかなわない。
ひろ:特にNHKはちゃんとした番組が多いっすよね。制作費にかなりお金がかかっているから、そのぶん情報もちゃんとしている。
成毛:やっぱり財力があると違いますよ。
ひろ:Nスペは、1本に4000万〜5000万円かけるみたいなことを聞いたことがあります。
成毛:昔、NHKがマイクロソフトの特集をしたときに、マイクロソフトのオフィスが入っているビルを撮影したいといって、ヘリコプターを2、3日借りてました。ヘリからの撮影だけで、最低でも1000万円くらいはかかったと思うんですが、実際に放送で使った映像はたったの5秒。あれには驚いたな〜(笑)。
あと、カタールのテレビ局「アルジャジーラ」(AJE)もけっこう見ていますよ。
ひろ:なんでまた?
成毛:世界で一番中立なメディアだと思うからです。たとえ中東問題であっても。まあ、AJEは東アジアのニュースは知ったこっちゃなさそうですが、それ以外の世界の話題だと速報性は一番かもしれない。現場にカメラが出るのもCNNより早いときがありますよ。
ひろ:確かに、アフガニスタン周辺の国や地域は、西側のメディアは遅かった気がします。
成毛:で、今は中東などでも市民がスマホを普通に持っていて、何かあればすぐに撮影しますし、現地では「映像をAJEには提供するけど、CNNには提供したくない」という人も多いんです。それは、西側じゃないからという理由だけでなく、AJEはかなりのお金を払って画像や動画を買っているというのも影響している。
ひろ:カタールは金持ってますもんね。
成毛:画像も映像も金を持っているやつが最後には勝つ。こればっかりはしょうがない。
ひろ:ってなわけで、見る価値のある情報は「どれくらいお金がかけられているか」が重要ですし、その点ではAJEも強いし、NHKも強い。
成毛:そういうことですね。くだらないSNSなんか見ないで、金がかかっているメディアを見るべきだと思いますよ。