家庭でできる「認知症予防のための取り組み」
また自宅での介護予防への取り組みも重要です。通所リハビリに継続的に通っていれば、家でも体操しましょうとか、日記をつけましょうなどと宿題を出して、家でもトレーニングができるよう後押ししやすいのですが、中断してしまうとそれができなくなってしまいます。すべて家で自主的にといっても何もきっかけや手本となるものがなければ、なかなかモチベーションが上がらないものです。
日本認知症予防学会ではコロナ禍でも認知症の発症や進行予防のために行いたいこととして次の事柄を提唱しています。ぜひ参考にして家庭で取り組んでいただきたいと考えます。
■認知症予防のために行いたい3つのこと
①1日30分以上の、身体を動かす運動や体操
⇒3密を避けた環境での散歩などです。家の中でもできるスクワット、椅子から立ち上がったり座ったり、座った状態で足を上げたり下げたりする運動などです。筋力低下防止につながり、転倒防止にもなります。
②自分の好きな、楽しいことを日課に
⇒特に頭を使って指を動かすような知的活動がすすめられます。例えば、パズル、短歌・俳句・川柳を作る、日記を書く、歌を歌うことなどです。
③家族や友人との会話を楽しむ
⇒コロナ禍では直接会って話すことが難しいため、遠方の家族とは電話で話し、週2回だったのを毎日にするなど頻度を高くします。ビデオ通話など顔が見える通信機器を使って会話することなどです。
実際に対面しなくても“刺激”になるのだろうかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、インターネットなどを利用したオンライン形式で顔を合わせるだけでも孤立感を和らげ認知症予防にとっては良い影響をもたらすといわれています。自治体によっては高齢者と子どもたちとが、離れた場所にいながらもパソコン画面を共有しながら塗り絵などの作業を一緒に行ったり会話をしたりといったオンラインを介した交流会を企画しているところもあり、地域活性化の面からも今後の新しいスタイルになるのではないかと期待されています。
旭 俊臣
旭神経内科リハビリテーション病院 院長
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】