コロナ禍、認知症者の「認知機能・運動機能」が低下傾向。認知症の発症・進行を防ぐには?自宅でできる予防策も紹介【専門医が解説】

コロナ禍、認知症者の「認知機能・運動機能」が低下傾向。認知症の発症・進行を防ぐには?自宅でできる予防策も紹介【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症は、適切なケアを行えば症状を改善したり、進行を遅らせることが可能です。その方法として近年、認知症に対するリハビリの重要性が認められつつあります。認知症リハビリが最も盛んに行われているのはデイケア施設ですが、コロナ禍で通所が難しくなり、リハビリが中断されてしまった認知症者も少なくありません。リハビリ中断後、患者の認知機能等はどう変化したか。認知症の発症・進行を防ぐために、自宅でできる取り組みはあるか。認知症の専門医・旭俊臣医師が解説します。

家庭でできる「認知症予防のための取り組み」

また自宅での介護予防への取り組みも重要です。通所リハビリに継続的に通っていれば、家でも体操しましょうとか、日記をつけましょうなどと宿題を出して、家でもトレーニングができるよう後押ししやすいのですが、中断してしまうとそれができなくなってしまいます。すべて家で自主的にといっても何もきっかけや手本となるものがなければ、なかなかモチベーションが上がらないものです。

 

日本認知症予防学会ではコロナ禍でも認知症の発症や進行予防のために行いたいこととして次の事柄を提唱しています。ぜひ参考にして家庭で取り組んでいただきたいと考えます。

 

■認知症予防のために行いたい3つのこと

①1日30分以上の、身体を動かす運動や体操

⇒3密を避けた環境での散歩などです。家の中でもできるスクワット、椅子から立ち上がったり座ったり、座った状態で足を上げたり下げたりする運動などです。筋力低下防止につながり、転倒防止にもなります。

 

②自分の好きな、楽しいことを日課に

⇒特に頭を使って指を動かすような知的活動がすすめられます。例えば、パズル、短歌・俳句・川柳を作る、日記を書く、歌を歌うことなどです。

 

③家族や友人との会話を楽しむ

⇒コロナ禍では直接会って話すことが難しいため、遠方の家族とは電話で話し、週2回だったのを毎日にするなど頻度を高くします。ビデオ通話など顔が見える通信機器を使って会話することなどです。

 

実際に対面しなくても“刺激”になるのだろうかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、インターネットなどを利用したオンライン形式で顔を合わせるだけでも孤立感を和らげ認知症予防にとっては良い影響をもたらすといわれています。自治体によっては高齢者と子どもたちとが、離れた場所にいながらもパソコン画面を共有しながら塗り絵などの作業を一緒に行ったり会話をしたりといったオンラインを介した交流会を企画しているところもあり、地域活性化の面からも今後の新しいスタイルになるのではないかと期待されています。

 

 

旭 俊臣

旭神経内科リハビリテーション病院 院長

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

■入所一時金が1000万円を超える…「介護破産」の闇を知る

 

■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走

 

※本連載は、旭俊臣氏による『増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

旭 俊臣

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本では高齢化に伴って認知症患者が増えています。罹患を疑われる高齢者やその家族の間では進行防止や早期のケアに対する関心も高まっていますが、本人の自覚もなく、家族も気づいていない「隠れ認知症」についてはあま…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧