7月の主要指標は軒並み前月から減速
■中国国家統計局は15日、7月の主要経済指標を発表しました。主要指標は軒並み市場予想を下回り、前月から減速しました。
■7月の鉱工業生産は前年同月比+3.8%となり、6月の同+3.9%から伸びが鈍化しました。7月の小売売上高も前年同月比+2.7%と、6月の同+3.1%から減速しました。また、1~7月の固定資産投資も前年同期比+5.7%と、1~6月の同+6.1%から減速しました。
■7月は新型コロナウイルスが再び流行した他、不動産市場の不調が続き、持ち直していた中国経済の回復ペースが鈍化しました。
中国人民銀行は利下げ
■中国人民銀行は15日、市中銀行に1年間の資金を供給する中期貸出ファシリティ(MLF)などの主要金利を引き下げました。1年物MLFの利下げは今年1月以来で、0.1%引き下げて、2.75%としました。
■新型コロナウイルス感染対策のゼロコロナ政策や不動産市況低迷により影響を受ける経済に対し、金融面からの支援を強化しました。
中国の経済見通しを下方修正
■7月の主要経済指標は、コロナ感染再拡大による移動制限の他、長引く不動産市場の不調を受けて、中国経済の持ち直しペースが鈍化していることを示しました。今後もこれらの要因によって、企業や家計のセンチメントが悪化し、中国経済の足かせとなりそうです。弊社は、経済成長率見通しを2022年+3.5%、2023年+5.0%に下方修正しました。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国の「7月の主要経済指標」は予想を下回る。今後の展開は?【専門家が解説】』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
投資情報グループ