(画像はイメージです/ココナラ法律相談)

浮気問題の慰謝料請求においては、証拠の確保がとても重要になります。ただ、何が有効な証拠であるかは法的知識がないと分かりづらく、集めていた証拠が思っていたよりも重要ではなかったということも多分にあります。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、春田藤麿(ふじまろ)弁護士に解説していただきました。

証拠収集は合法・違法のボーダーラインの冷静な検討を

相談者のRさんのように探偵などを頼らず自力で不貞行為の証拠を集める方も多くいらっしゃいます。

 

しかし、行き過ぎた行為をすると却って訴えられる可能性がありますので、合法・違法のボーダーラインを冷静に検討することが重要です。

 

まず、無断で夫の携帯電話のロックを解除してLINEを見る行為は、厳密には不正アクセス禁止法に該当することもありますが、結論としては、夫婦間でこのような行為をしても、刑事責任を問われたり、LINEの証拠能力が否定されることはないと考えて良いです。

 

また、夫のスマホのGPS位置情報データを確認する行為も違法行為となるプライバシー侵害とまではいえませんし、Yさん宅の駐車場に停まっている夫の車を撮影する行為も公道から撮影している限りは違法行為ではありません。

 

なお、夫の車にGPSや録音機を設置したとしても違法なプライバシー侵害となる可能性は低いです。

 

他方、例えば、夫とYさんとの性行為を撮影しようと考え、夫の鞄などに小型カメラを設置する行為は決してしてはいけません。

 

Yさんに対するプライバシー侵害としてその証拠能力が否定される可能性があるだけでなく、盗撮行為として都道府県の迷惑防止条例違反となり刑事責任を問われる可能性もあります。

 

また、もちろんですが、Yさんの自宅内での二人の様子の証拠を掴もうと、Yさん宅の敷地内に立ち入れば住居侵入罪に問われますし、室内を覗いたり、撮影をすれば迷惑防止条例違反に問われる可能性がありますので、いずれも決してしてはいけません。

 

確実な証拠がとれない場合、つい行動がエスカレートしがちですが、合法・違法のボーダーラインを冷静に検討しなければ不倫の被害者であるにもかかわらず、却って思わぬ痛手を負うことになりかねません。

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