年金だけで「平均給与レベルの生活」は維持できるか?
計算を単純にするために、収入は夫の給与のみで、妻は専業主婦のモデルケースで考えます(※平均給与433万円は男女平均〔賞与含む〕ですので、男女別で見ると平均は男性532万円、女性293万円となりますが、今回は男女平均433万円のほうで計算します)。
■平均給与の場合、手取りは「月28万7,500円」ほど(賞与含む)
平均給与433万円の場合、年間で社会保険料が約65万円(平均給与額の約15%)、所得税と住民税が約23万円*ほど差し引かれますので、年間の手取り額は約345万円になります(*控除は社会保険料控除、配偶者控除、基礎控除のみで計算しています)。
これを12ヵ月で割ると28万7,500円になるため、賞与も含めた手取り月額の平均は28万7,500円になりました。
■平均給与の場合、将来もらえる年金は夫婦で「月20万2,500円」ほど
平均給与433万円のまま40年間勤務したとして、将来もらえる年金額をシミュレーションしたところ、夫165万円、妻78万円、夫婦合計で年間243万円になります。
この場合、所得税や住民税はほとんどかかりませんので、単純に12ヵ月で割ると年金月額は20万2,500円となりました。
※厚生労働省の公的年金シミュレーター(試験運用中)を使って、受給開始年齢65歳で計算しています。
■老後の不足額は「月8万5,000円」、30年間なら「約3,000万円」に及ぶ
よって、年金月額20万2,500円だけでは、現役時の手取り月額28万7,500円レベルの生活はできないという計算結果になりました。
不足額は毎月8万5,000円ですので、30年間では約3,000万円(8万5,000円×12ヵ月×30年間=3,060万円)の不足と、老後2,000万円問題というより老後3,000万円問題ぐらいになってしまいました。
そこで、不足分を退職金で補えないのであれば、生活レベルを下げるか、働いて収入を増やすか、貯金やiDeCo、積立投資などで確保しておくなどの対応が必要になります。
ちなみに、男性のみの平均給与532万円で同じ計算をした場合、給与の手取り月額は約34万8,000円、年金月額は約21万3,000円で、差額は月額13万5,000円となり、現役時代の収入が高いほど給与の手取り月額と年金月額の落差が大きい結果となりました。
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