部下が行動しやすいか、やりやすい方法か
■アクションプランは、その人らしくラクに続くやり方を選ぶ
現在地・目的地の2ポイントが明確になったら、そのギャップをどんな手段で、どんなペースで進めていくかを明確にします。
このアクションプランも、最短ルートをさぐるというよりは「その人らしくラクに続くやり方」を見つけていくことがコツです。
もちろん、ケースによっては最短ルートを選ぶ必要もあるでしょう。
しかし、部下が行動しやすいか、やりやすい方法かなどのほうが重要な場合が多いのです。たとえば、ひとり静かに集中して進めたい人もいれば、仲間とディスカッションしながら進めたいなど、プロセスは人それぞれですよね。
大事なのは、この3つのステップでも、部下一人ひとりに寄り添い話を聞いていくことです。
以上の3ステップを踏まえることで、目的論的に作戦会議をすることができます。
■行動力が飛躍的に上がるアクションプランのたて方
10年以上、経営者やリーダーのメンタルコーチをしていますが、多くのリーダーは、仕事に関しては目的と目標が明確になるだけで、速攻で行動に着手して着実に目標を実現していきます。つまり、アクションプランを練る時間がほぼ不要なのです。
そんな方々でも、苦手な分野、慣れていない分野については、目的と目標を設定するだけでは、スムーズに動けませんでした。
なぜ、目的と目標を明確にするだけでスムーズに動けるのか?
どうやら、社長やリーダーは常々仕事のことを考えているので、目的と目標さえ明確になれば、頭の中で自然とゴールから逆算して、その場でアクションプランが明確になっているのです。つまり、まず何をすればいいか、それが終わったら次に何をするかが明確なので、スムーズに動けていたのです。
これに対して、苦手なことや慣れていないことについては、アクションプランをたてることが難しく、目的と目標を設定するだけでは、スムーズに動けなかったのです。
これは、社長・リーダーに限りません。
■マイルストーンは3つ置きなさい
では、目標と現状のギャップを埋めるアクションプランのたて方をお伝えします。
目的と目標は明確になったけれど、まず何をしたらいいか迷う、何から始めればいいのかわからない、アクションプランが明確に描けないときは、目標と現状の間にマイルストーンを3つ置きましょう。
マイルストーンとは、直訳すれば道標。目標を実現していく際に、途中の目安となる出来事のことです。
さらに必要なのが、「取り組み内容の明確化」 です。
具体的には「今、今日、今夜、明日の朝、今週」何をするかを決めてしまうのです。
旅行の例でいえば、今週末に確実に旅行に行きたい場合、旅の目的地を決め、初日に行きたい場所ややりたいことを決めてしまいます。
これは、旅行に限りません。健康を維持するための運動であれば、平日は通勤時に30分以上歩く、水曜日と金曜日の夜に15分ずつ筋トレをする、土曜日の朝は30分間ストレッチをするなど、あらかじめ取り組み内容を明確にすることで、行動に着手しやすくなります。