(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症は、適切なケアを行えば症状を改善したり、進行を遅らせることが可能です。その方法として、病気の早期発見や適切な薬物療法とともに、近年では認知症に対するリハビリの重要性が認められつつあります。現状、認知症リハビリが最も盛んに行われているのはデイケア施設ですが、コロナ禍で通所が難しくなったり、患者本人が通所を嫌がったりする場合もあるでしょう。認知症の専門医・旭俊臣医師が、デイケア施設以外の日常生活で家族が気を付けるべきことなどを解説します。

リハビリの早期開始で進行を遅らせられるが…

■嫌がる患者にリハビリを促すには?

認知症にもリハビリが有効であり、特に初期のうちから開始すると症状の進行を遅らせることが可能です。しかし現状、初期の認知症の患者のなかには、施設に通ってリハビリを受けることを嫌がる人が少なくありません。

 

デイサービスへ行き、自分よりも症状が進行した人が多かったりすると、「自分はこんなにひどくないから、行く必要はない」と拒絶してしまうケースが多くみられます。施設へは重度の人が行くものという思い込みが、世間一般にまだ根強く浸透しているためと思われます。

 

また認知症の人にとっては、環境が変わることそのものが大きなストレスになり得ます。

 

しかし、だからといって家にこもっていていいというものでもありません。私は、自宅以外の場所で人と交流することが、多少のストレスになってもなお認知症の症状進行を遅らせるというメリットが上回ることのほうが多いと考えています。

 

リハビリを受けたがらない認知症の人に対しては、主治医から治療の一環であることを十分に説明してもらうことが第一ですが、例えば「あなたに行ってもらうと、ほかの参加者がきっと喜びますよ」などと誰かのためになることを強調すると、すんなり受け入れるケースが多々みられます。

 

認知症の人は、口に出しても出さなくても、人の世話になっている、自分が人の重荷になっていると引け目を感じているものです。施設で誰かの役に立てる、あるいは自分の存在を認めてくれる、そこに自分の居場所がある…そんなふうに受け止めてくれるような言い方を工夫するとよいのではないかと思います。

 

 

旭 俊臣

旭神経内科リハビリテーション病院 院長

 

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※本連載は、旭俊臣氏による『増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

旭 俊臣

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本では高齢化に伴って認知症患者が増えています。罹患を疑われる高齢者やその家族の間では進行防止や早期のケアに対する関心も高まっていますが、本人の自覚もなく、家族も気づいていない「隠れ認知症」についてはあま…

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