3会合連続で0.5%の利上げ
■8月2日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利の目標を1.85%に引き上げました。利上げは4会合連続で、利上げ幅は3会合連続で0.5%と、大幅な利上げが続いています。
■RBAは声明文で、経済を安定させつつ、インフレ率を長期的に2~3%(RBAの物価目標)の範囲に戻すことに高い優先順位を置く、と強調しました。
インフレ抑制を重視
■現在、世界的に高インフレが大きな問題となっている中、豪州の消費者物価指数(CPI)も、1990年初以来の高水準となっています。7月27日に発表された4ー6月期のCPIは、前年同期比+6.1%とRBAの目標を大きく上回っています。また、変動の大きい項目を除外した、基調的な物価を示すトリム平均値では同+4.9%でした。
■RBAの中心的な予測では、インフレ率は2022年末には7.75%程度と今年中にピークを迎え、その後は2023年末に4%超、2024年末に3%程度と、徐々にRBAの物価目標に向かって低下していくと見られています。
利上げ継続姿勢だが、経済情勢に配慮しながらの舵取りとなろう
■RBAは金融環境を正常化するためにはさらなる措置が必要としているものの、豪州経済への配慮もにじませており、経済情勢次第では今後は複数回の利上げを行わずに様子見に転じる可能性もあると考えられます。
■利上げは概ね市場予想の通りでしたが、RBAがややハト派的なスタンスを示したことから、会合後の為替市場では豪ドル安・円高となりました。しかし、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官から米利上げに強気な発言が聞かれたことで米ドル高・円安となり、豪ドルの対円レートも会合前の水準に戻っています。今後もRBAの引き締め的なスタンスは続くと見られ、対円で豪ドルは堅調な展開となることが見込まれます。
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三井住友DSアセットマネジメント株式会社
投資情報グループ