ローン返済をしているうち、物件の耐用年数が迫り…
不動産投資については、「ローンを使うのが当たり前」と思っている人が多いのではないでしょうか。
実際に不動産投資の世界では、よく「レバレッジ(てこ)」という言葉が使われます。つまり、「ローンを使うことで、少ない自己資金で大きく増やすことができる」と言われているのです。これが「てこ」であり、ある意味推奨されています。
でも、考えてみましょう。
ローンを組んでマンションを買ったところで、返済をしているうちに物件の耐用年数になってしまいます。
仮に築30年のRC(鉄筋コンクリート造)を投資物件として2000万円のフルローンで買ったとします。ローンを10年で返すなら、元本が年200万円、そこに年2%の利息が乗ってくれば、合計で年240万円の返済になります。
つまり、1カ月に20万円を支払わなければいけなくなるということです。
2000万円の投資物件で月20万円を支払うのはかなり厳しく、賃料負けして途中で経営が破綻する可能性があります。
それでも賃料よりも高い金額を返済し続けることができて、10年後にローンを払い終えることができれば、そこからようやくプラスになる土台ができます。
ところが、RCも築40年を過ぎれば、防水工事やサイディング(外壁材)の張り替え、水道・下水管といったインフラのやり直しが必要となり、500〜1000万円くらいかかってきます。
すると、また1000万円を借りることになって、40年目からさらに5年間、毎月20万円ほどを払わなければ物件が維持できないことになります。
ようやく45年目になったときには、ここからプラスになったのも束の間、50年経てば解体の時期が迫ってくるわけです。あと5年で解体費を捻出し、50年目に解体したら、ようやく「土地がいくらで売れるか」という話になってきます。
2000万円の物件の土地は、おそらく売っても500〜1000万円くらいでしょう。
一般的な投資として考えても、いかがなものでしょうか。
ちなみに、わたしも先日はじめてローンを組みました。ローンを組んだことがないのに「ローンを組んではいけない」と言うのは失礼だと思ったからです。
いまのところ、わたしの主張は変わりません。
「ローンを組んでまで不動産を所有する意味がない」ということをより実感するために、返済を続けながら物件を回していきたいと思っています。
永野 彰一
投資家 実業家
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