(写真はイメージです/PIXTA)

普段、なにげなく支払っている固定資産税について、実は「金額が誤っている可能性がある」と、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士はいいます。評価額が高すぎると感じた場合、どのように確認し、手続きを行えばよいのでしょうか。相続に詳しい堅田弁護士が解説します。

高すぎると感じたら「審査の申出」を

たとえば、親から相続した土地の評価額自体が高すぎると感じた場合、どのような手続きをとればよいのでしょうか?

 

固定資産税の納税者は、固定資産税の金額に不服がある場合、固定資産課税台帳の登録された価格(評価額)に対する納税者からの不服を審査・決定するため、地方税法に基づき設置された中立的機関である固定資産評価審査委員会への審査の申出ができます。

 

固定資産税は、3年に1度、評価替えを行うため、原則として評価替えを行う年度のみ、審査の申出が可能です。しかし、以下の場合は、評価替えの年度以外でも、審査の申出をすることができます。

 

1.家屋の新築や土地の分筆等により、新たに価格等が固定資産課税台帳※1に登録された場合や、家屋の増改築や土地の地目の返還等によって価格が変わった場合等
2.家屋の増改築や土地の地目の変換等によって、評価替えをすべき旨を申し立てる場合
3.地価の下落により修正された土地の、価格の修正に関する部分

4.地下の下落に伴う土地の価格の修正がされなかった土地について、修正されるべきである旨を申し立てる場合

5.償却資産※2の価格に関する事項

 

※1 「固定資産課税台帳」…固定資産税の課税対象となる土地、建物等に関して、その所在、所有者、評価額等を登録した帳簿。

※2 「償却資産」…土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるもの。

 

審査の申出は、固定資産税の納税者(課税年度の賦課期日である、1月1日現在の固有資産の所有者)又は代理人となります。代理人には、弁護士、税理士などの有資格者のみならず、納税者の家族なども代理人となることが可能です。

 

審査の申出期間は、固定資産課税台帳に価格等の登録した旨の公示日(通常4月1日)から、納税通知書の交付を受けた日から3ヵ月以内です。

 

審査の申出については、あらかじめ、税務課から課税根拠などについて説明を受けたうえで、弁護士、不動産鑑定士などに相談のうえ、手続きをとるようにしましょう。

 

審査の結果、固定資産評価審査委員会が下した決定に不服があるときは、決定があったことを知った日から起算して6ヵ月以内に、裁決の取消を求めて訴訟を提起することができます。

 

決定の日の翌日から起算して1年を経過すると、訴訟の提起はできなくなります。

 

審査の申出をせずに、訴訟を提起することはできませんので、固定資産税評価に不服がある場合は、必ず審査の申出を行うようにしましょう。

 

まとめ

普段、なにげなく支払っている固定資産税ですが、もしかしたら払いすぎている場合があるかもしれません。納税通知書を確認して、固定資産税が高いなと感じた場合は、1度弁護士や税理士に相談することをおすすめします。

 

 

堅田 勇気

Authense法律事務所
 

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