前回は、会社の売却交渉の相談をする専門家のうち、「M&Aアドバイザー」と「仲介会社」の違いについて説明しました。今回は、自社の売却を相談する「M&Aアドバイザー」の選び方を見てきます。

事前準備の状況によって適任のアドバイザーは変わる

前回の続きです。では、アドバイザーや仲介業者はどのようにして選べばよいのでしょうか。それは、事前準備がどのくらいできているかによって異なります。

 

すでに第三者が見ても会社の状況がわかりやすくなっているのであれば、ネットワークが豊富なアドバイザーを選ぶのがよいでしょう。

 

買収先が見つけやすいからです。たとえば、大企業であれば銀行、証券会社、投資銀行などが候補になるでしょう。

自社の業界に詳しいアドバイザーを捜す

中小企業であれば、売却したい会社の業界に詳しいアドバイザーを探すのがよいでしょう。アドバイザーになっている人は、もともとどこかの業界でM&Aの業務を行っていたという人が多いものです。ですから、得意分野を持っています。

 

たとえば、「大阪の飲食店であれば、この人」というように情報が集まっているところがあります。すでに準備ができているのであれば、そういう人に依頼するのが正解ということになります。

 

そうではなく、これから会社の状況を第三者にわかりやすくしなければならないという状況であれば、そのサポートを積極的に行ってくれるアドバイザーや仲介会社を選ぶのがいいでしょう。

本連載は、2015年9月2日刊行の書籍『財を「残す」技術』 から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

財を「残す」技術

財を「残す」技術

齋藤 伸市

幻冬舎メディアコンサルティング

成功したオーナー経営者も、いずれは引退を考えなければいけない。そのときに課題になるのが、事業とお金をいかに残し、時代に受け継ぐかである。 保険代理店業を主軸として、オーナー社長の資産防衛と事業承継をコンサルティ…

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