【株式投資】配当利回りよりも「益利回り」に注目すべきワケ…経済評論家が解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資をする際に「配当利回り」に着目して購入を検討する人は多いと思います。毎年の配当は魅力的ですし、現在の東証プライム市場上場企業の配当利回りは平均で2.4%程度と、このゼロ金利時代にメリットを感じるでしょう。しかしここでは、配当利回りよりも「益利回り」に注目してみることをお勧めします。経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

益利回り=PERの逆数(1÷PER)

株式投資をする際に、「配当利回り」を見る人は多いでしょう。たしかに、毎年配当が受け取れるのであれば、株価が値下がりするリスクは覚悟して投資をしようというインセンティブとなりますね。ちなみに、現在の東証プライム市場上場企業の配当利回りは平均で2.4%程度ありますから、ゼロ金利の預金と比べると魅力的ですね。

 

しかし本稿は、株式投資を考える際には配当利回りよりも「益利回り」を見るべきだと考えます。益利回りというのは、1株あたり純利益を株価で割った値であり、PERの逆数(1÷PER)です。その理由は、配当されずに内部留保された分の利益も株価を押し上げる要因として投資家の利益になるからです。

 

PBRを見て投資をする人は、内部留保が増えると1株あたり純資産が増えるので株を買いたくなるでしょう。PERを見て投資する人は、内部留保された資金が工場建設に使われて企業の将来の利益が増えると予想すれば株を買いたくなるでしょう。そうして人々が株を買うので、値上がりが期待できるわけですね。

PERが14倍なら「益利回り」は7%

配当されずに内部留保される分も株価の値上がりに寄与するならば、株式投資の利回りは配当利回りよりも高くなるはずです。実際、東証プライム上場企業の平均で益利回りは7%ほどあります。PERが14倍なので、その逆数というわけですね。

 

PBRが一定で推移すると仮定すると、これが株式投資をした場合の予想利益率ということになるわけです。これは結構大きな投資のインセンティブだと筆者は考えています。もちろん、全資産を株式投資に使ってしまうと株価が暴落した時に困りますから、それはおすすめしませんが、資産の一部を株式投資に活用するのは悪くないと思います。

株のリスクと同時に、預金のリスクも意識したい

しかし、それでも株を買うのは怖いと思って資産を全額銀行預金で持っている人が多いようです。たしかに株式投資が怖いというのはわかります。しかし、預金もリスク資産だということを考えると、預金と株に分散投資するほうが安心かもしれません。

 

預金はインフレに弱いリスク資産なのです。預金の金額は減らなくても、インフレが来れば買える物(財およびサービス、以下同様)の量は減ってしまいます。老後資金を十分蓄えたつもりでも、インフレが来れば老後資金が不足しかねないのです。

 

一方で、株はインフレに強い資産です。インフレが来れば企業の売り上げもコストも利益も増えますし、企業が保有している資産の価値も上がるでしょうから、株価が上がる可能性が高いわけです。

 

高齢者は安全志向に加えて「株式投資はバクチであってマトモな人間が手を出すものではない」といった昭和時代の思考回路を持ち続けている人も多いのでしょう。そうした人が株式投資をするのは抵抗があるでしょうが、若い人にはそういう抵抗感は薄いでしょうから、若い人は株式投資に興味を持つ人も増えてくるのではないでしょうか。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』『大学の常識は、世間の非常識』(以上、祥伝社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載「不確実性の時代」を生きる、投資初心者のための株式投資入門

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