(※写真はイメージです/PIXTA)

医師の近藤靖子氏が、「シニア世代を健康かつ快適に過ごすために、50代や60代前半の生活のうちに気をつけたいこと」として、「足と健康の関係性」について解説していきます。

問題解決のため、日本では馴染みのない「専門店」へ

次に、私はもっとフットケア一般について自分で習ってみよう、と思い立ちました。

 

フットケアには二つのタイプがあります。一つは医療的なフットケア、もう一つは美容的なフットケアです。

 

日本では「足の医者」というものに馴染みがありませんが、西洋医学では、「podiatrist」と呼ばれる専門医がいます。

 

Podiatristとは、足、かかと、そして下肢の病気や異常を扱う医師です。

 

まず、医療側から見たフットケアを学ぼうと、私はドイツ式のFoot and Shoe Instituteで医師向けの1日コースを受けました。

 

このコースでは、足の爪の検査の仕方や、ワイヤーを使った巻き爪の矯正の仕方を習いました。

 

美容的なフットケアについては、東京にある専門店に行って、足の施術を受けてみました。

 

美容用途のフットケアセンターはたくさんあって選ぶのに迷いましたが、このセンターはある製薬会社が職員の健康のために開いたものを一般に開放したものだったので、たぶん良心的だろうと判断しました。

 

私はここで電気やすりを用いた、30分ほどのケラチン除去を受けました。たった1回の施術で、私の足の裏は固い部分が取れ、滑らかですべすべになりました。その効果は著しく、施術後は歩くのにまったく痛みを感じなくなりました。

 

しかし、数週間のうちにまた足の裏は元のようにでこぼこになってくるので、時々通わなければなりません。

 

さらに私は、普段の足に関する生活習慣をもう一度見直して、良くない癖は直そうと決心しました。

 

まず、靴下を5本指タイプのものに替えました。

 

今までの靴下では、足の指は靴下の中でずっとギュッと押されている状態です。一方5本指の靴下では、1本ずつの指が離れるので、横からの圧力が少なくなります。そして指をもっと自由に動かせるので、歩く際に指の力をもっと使うことができます。

 

次にパンプスを履くのを止めて、スニーカーやインソールの厚く、柔らかな靴を履くようにしました。

 

厚いインソールは、歩く時の衝撃を和らげてくれて、より快適に歩けます。そう思って電車の中を見回すと、老若を問わず、スニーカーを履いている人を多く見かけます。

 

また、雑誌の広告で、ビジネススーツにスニーカーを合わせるという写真も見ました。スニーカーは今はやりのアイテムのようです。

 

もっと多くの人々が、フットケアに関心を持ってくれると良いと思います。

 

 

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近藤 靖子

和歌山県和歌山市に生まれる。京都大学医学部および同大学院卒。 医療に関しては麻酔科、眼科、内科、神経内科、老年内科の診療に従事。1994年家族と共に渡米し、オハイオ州クリーブランドのクリーブランドクリニックにて医学研究を行う。 その後、ニューヨーク州ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学、テキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターにて医学研究に従事。 2006年末に帰国し、2008年千葉県佐倉市にさくらホームクリニックを夫と共に開院し、主に高齢者医療を行う。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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