コロンボ郊外の過積載バス。横に傾き、乗客は足場にしがみついている。

スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

40リットルの軽油を求め、3日間も行列に

スリランカ民間バス所有者協会会長は、「燃料危機が続いているためにスリランカの民間バスは運行を縮小せざるを得なかったが、給油所での優先権が与えられればサービスを再開することができる」と述べた。

 

7月17日(日)、会長であるGemunu Wijeratne氏はメディアに対し、「燃料危機のため過去数週間は10~15%のバスしか運行されていなかった」と述べた。「5%以下だったこともあります。ここ数週間は、1,000~3,000台のバスしか運行されていなかった」。

 

Wijeratne氏によると、運転手はたった40リットルの軽油のために3日間も行列に並ぶことになり、とても現実的ではないという。

 

「もし、スリランカのガソリンスタンド『CEYPETCO』から燃料を入手する際に優先権が付与されれば、来週から50%のバスが運行できるだろう」。

 

民間バスは、スリランカ輸送委員会の倉庫から燃料を入手しているが、適切に運行するには十分でないとWijeratne氏は言う。CEYPETCOの給油所には、一時期燃料がない時期さえあった。

 

電力エネルギー省のKanchana Wijesekara大臣は最近、燃料を分配するためのトークン・システムを発表したが、Wijeratne氏は「アプリはバス運転手にとって実用的ではない」という意見だ。同氏は「システムは機能するかもしれないが、燃料を入手する際には優先順位が重要だ。行列に並ぶのを待つことはできない。それは現実的ではなく、消費者にとって不公平だ」と話す。

 

そして「燃料危機のためには、公共交通機関を強化しなければならない」と述べた。

バスの屋根に登る人も

スリランカの人々は、燃料不足とコスト上昇のため、自転車や公共交通機関に乗り換えるなど、移動手段を変更しなければならなかった。だが状況の悪化により、より多くの人が立ち往生し、バスやタクシーが簡単に見つからなくなったため、今度は移動を控える必要が出てきた。

 

数少ないバスは満員で、消費者は座る場所さえないまま高い運賃を支払っている。Wijeratne氏は、“バスの屋根に登る人もいる”と述べ、そのような危険な行為をしないようにと警告した。

 

しかし、すべての人が在宅勤務をできるわけではない。スリランカは過去最悪の経済危機に直面し、国が事実上破産している中、多くの人々が貧しくなり、生計を立てるために極めて不快な通勤に耐えなければならないのである。

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    この記事は、GGOが提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2022年7月17日に掲載した記事「Sri Lanka’s private bus owners want priority fuel to resume operations
    」を翻訳・編集したものです。

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