「財産は国内に放置するな!」日本が本格的に危なくなってきた【ウエルスマネージャーが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

世界経済に影を落とすロシアのウクライナ侵攻、収束の兆しが見えないパンデミック、止まらない円安、急速に進展するインフレ…。日本で暮らす私たちはいま、大変な危機的状況に置かれています。しかし、それらを正しく理解し、リスク回避の行動をとっている人は、決して多くありません。今後どのような問題が起こり得るのか、資産防衛のプロであるウエルスマネージャーが、事象から読み解いていきます。

「非民主主義&核保有国」に囲まれている日本

日本は、北朝鮮、中国、ロシアと、いわゆる非民主主義国に囲まれています。悪いことに、これらの国は核も保有しています。海を隔ててはいるものの、中国の国力がまだ小さかった頃に比べて、このリスクは見逃すことができないレベルとなってきています。

 

防衛省の防衛白書でも「日本の周辺には大規模な軍事力が集中している」と指摘されています。さらには中国だけではなく、「ロシアの軍事活動は活発化」ともあります。

 

出所:防衛省・自衛隊 令和3年度版 防衛白書
[図表1]主要国・地域の兵力一覧(概数) 出所:防衛省・自衛隊『令和3年度版 防衛白書』

 

(注1) 陸上兵力はMilitary Balance 2021上のArmyの兵力数を基本的に記載*、海上兵力はJane’s Fighting Ships 2020-2021を基に艦艇のトン数を防衛省で集計、航空兵力はMilitary Balance 2021を基に防衛省で爆撃機、戦闘機、攻撃機、偵察機等の作戦機数を集計 *万人未満で四捨五入。米国は、陸軍49万人のほか海兵隊18万人を含む。ロシアは、地上軍28万人のほか空挺部隊5万人を含む。イランは、陸軍35万人のほか、革命ガード地上部隊の15万人を含む。 (注2) 日本は、令和2年度末における各自衛隊の実勢力を示し、作戦機数(航空兵力)は航空自衛隊の作戦機(輸送機を除く)および海自の作戦機(固定翼のみ)の合計 出所:防衛省・自衛隊 令和3年度版 防衛白書
[図表2]主要国・地域の兵力一覧(概数)※注1、注2 出所:防衛省・自衛隊『令和3年度版 防衛白書』

 

(注)中国の「近代的駆逐艦・フリゲート」についてはレンハイ・ルフ・ルーハイ・ソブレメンヌイ・ルーヤン・ルージョウの各級駆逐艦及びジャンウェイ・ジャンカイの各級フリゲートの総隻数。このほか、中国は50隻(2021年)のジャンダオ級小型フリゲートを保有 出所:防衛省・自衛隊 令和3年度版 防衛白書
[図表3]わが国周辺の安全保障環境 ※注3 出所:防衛省・自衛隊『令和3年度版 防衛白書』

 

ロシアによるウクライナ侵攻をそのまま日本に置き換えると、よりリアルに感じられるかもしれません。また、香港、台湾、沖縄と中国の海洋進出の野心も取りざたされているのはご周知かと思います。

 

ちなみに北朝鮮には豊富な地下資源が眠っているといわれています。一説には420兆円、世界で10位以内に入る規模ともいわれており、これを狙う国々も多く、北朝鮮にとっては核こそがその国体や安全を保障できる唯一の存在であると考えていてもおかしくはないと思います。だとすれば、北朝鮮が核兵器を捨てることはなかなかなさそうです。

 

出所:国際平和拠点ひろしま HP
[図表4]核兵器を巡る世界の現状 出所:国際平和拠点ひろしま HP

戦後の枠組み・シビアな地政学的状況を理解しているか

第2次世界大戦の敗戦国である日本は、自由に軍備し自国を守ることは認められていません。日本は「賊軍」であり、官軍から見ればいつ矛先を向けてくるかもしれない危ない国家、という懸念が常に付きまとっているのでしょうか。そして、戦後70年以上経ってもその懸念は払拭されていない、ということです。

 

日本には第2次世界大戦の「くびき」があり、最終決定権はないが、民主主義・自由国家としての役割や責任はそれなりに負わされた上で、日本が運営されていると考えたほうがより話は見えてくるでしょう。

 

筆者の理解をサラリーマン風にたとえるなら、派閥争いに敗れ解雇寸前の役員が、勝ち組の都合や温情、そして多少の能力を認められて再度居場所を見つけたものの、調子に乗ったため再度窓際へ追われ、現在は片道切符で子会社行きの瀬戸際…といったところでしょうか。

 

そしてこの役員は、新鋭のライバル会社から「会社をめちゃくちゃにして裏切れば、重役として迎えるぞ」との甘い誘いを囁かれているのです。万一騙されて転職すれば、約束も反故にされライバル会社も辞めることになる、というシナリオでしょう。

 

いずれにせよ、このくびきを直ちに外すことは現実的ではありません。それはアメリカでの南軍、日本での武士の復権とほぼ同じと考えれば理解しやすいかもしれません。

 

ロシアとの戦闘が激化するなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は国民総動員令に署名しています。18歳~60歳の男性の出国を全面的に禁止しているのです。国を守るため、国民が戦場で戦うことが将来の日本で起こらないと、自信を持っていえるでしょうか。

 

一旦戦争が起きれば、国民生活の自由度は損なわれ、そしてまた、戦争を前に世論が「危ない方向」へ漂流を始める可能性が高いのは、歴史を見ても明らかです。とくに日本の場合は同調圧力が顕著な傾向があり、他国以上に危険をはらんでいるといえます。その点は、第二次世界大戦について言及した資料等から、よくご存じの方も多いでしょう。

 

日本の場合、核を自由に装備できる可能性はほぼゼロで、他国の攻撃から自国の力のみで対抗し、守りきるという選択肢もほぼないといえます。

 

筆者が本記事で読者に説くのは、自身や家族の将来設計のための現状分析と現状把握であり、目的は「資産の管理と保全・一族の繁栄」です。上述した地政学リスクが払拭されない以上、自身で備えるのが現実的な対応だといえます。

 

国家として総力戦を戦い、無条件で敗北したという事実は決して軽いものではありません。しかし、敗戦して無条件降伏をしたにもかかわらず、ここまで発展した国は歴史的に見ても少なく、幸運であったといえるでしょう。

 

手もとにある大切な資産を守るには、この幸運に甘んじるのではなく、戦後の枠組みや地政学的な厳しい状況を理解し、この局面をうまく泳ぎ切る知恵と忍耐力を持つことです。

 

株式会社 ジェイ・ケイ・ウィルトン・インベストメンツ 代表取締役

東京生まれ。米ピッツバーグ大学MBA。東京及び米西海岸在住。株式、債券、不動産、保険などに関するコンサルティングを、国内法人や富裕層、資産家に行う。

山一証券等を経て一九九六年から海外投資、資産運用、ウエルス・マネジメントにかかわるウェブサイトの運営、コンサルティングを手がける(株)ジェイ・ケイ・ウィルトン・インベストメンツ代表取締役を務める。訳書に『LTCM伝説──怪物ヘッジ・ファンドの栄光と挫折』(東洋経済新報社、共訳)、『ヘッジ・ファンド投資入門』(ダイヤモンド社)、『αを探せ! 最強の証券投資理論─マーコヴィッツからカーネマンまで 』(日経BP社)、『ザ・タートル 投資家たちの士官学校』(日経BP社)および『伝説のトレーダー集団 タートルズの全貌』(FPO社)がある。

(株)ジェイ・ケイ・ウィルトン・インベストメンツ:http://www.jkwilton.com/

日本プライベートバンク協会 プライベートバンク完全ガイド:https://www.private-bank.jp

著者紹介

連載国境を越えた人生設計の必要性 マネーは眠らない:海外プライベートバンク活用術

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