※画像はイメージです/PIXTA

相続をめぐるトラブルがこじれたり、もともと家族どうしの仲が悪く疎遠であったりすると、相続人であるにもかかわらず連絡を拒否して話し合いに応じない人もいます。連絡を拒否して手続きに非協力的な相続人がいる場合の対処法についてみていきます。

相続人が連絡拒否をする背景とは?

遺産をもらえるかもしれないのに、どうして連絡を拒否する相続人がいるのでしょうか。

 

遺産相続に対して非協力的な態度をとる背景には、家族に対する不信感があることが多いです。このほか、トラブルになることを恐れて話し合いに応じないケースもあります。遺産相続では、主に次のような場合にトラブルが起こりがちで、家族に対する不信感が増したり、新たに不信感が生じたりするきっかけになります。

 

【遺産の問題】

●自宅以外にこれといった財産がない

●株式・不動産・借金など財産の種類が多く整理が難しい

 

【相続人の問題】

●特定の相続人だけ故人を介護していた

●特定の相続人だけ生前贈与を受けていた

●相続人に養子・前妻の子・婚外子がいる

●夫婦の間に子供がいない(配偶者と兄弟姉妹が相続人になる)

●極端な主張をする相続人がいる

連絡拒否をする相続人も遺産分割協議は必須

故人が遺言で遺産の分け方を定めていなければ、相続人どうしで遺産の分け方を話し合う必要があります。これを遺産分割協議といいます。

 

一部の相続人が連絡を無視していると、いつまでたっても遺産分割協議ができません。連絡を拒否する相続人を除いて協議を進めたいところですが、一部の相続人を除いて遺産分割協議をしてはいけません。

 

一部の相続人を除いて遺産分割協議を成立させても、預金の解約や不動産の名義変更(相続登記)などの手続きはできません。これらの手続きでは遺産分割協議書のほか、故人(被相続人)と相続人の戸籍謄本の提出が必要で、一部の相続人が除かれていることはすぐにわかってしまいます。

 

遺産相続の手続きを終えるためには、どうにかして連絡を拒否する相続人に話し合いに応じてもらう必要があります。

次ページ連絡拒否をする相続人がいるときの対処法

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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