(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

15日に第二四半期の中国GDPが発表予定

今週15日金曜日に中国の4-6月(第二四半期)のGDPが発表される見通しである。ブルームバーグの調査によると、市場予想では前年同期比1.5%増加となる見通しであり、第一四半期の4.8%増から縮小する見込みである。しかし、一部の見方では上海をはじめロックダウンの影響により景気縮小が示唆されており、今年4-6月の成長率は2020年以来のマイナス成長に陥る兆候があるとも指摘されている。

 

中国の習近平国家主席は7月に入ってからもゼロコロナ政策を堅持し、年間GDP成長率5.5%を達成するよう指示している。先月からインフラ建設の強化や不動産セクターへの制限緩和、自動車補助金制度の実施等、経済支援政策がこれまで相次いで発表されている。また中国人民銀行の資金供給や、預金準備率の引き下げを実施し、中国経済のテコ入れを促す方針で動いている。

 

ただ第二四半期が過去一度しか起きたことのない四半期ベースのマイナス成長となると、今秋に党大会を控え非常に厳しい環境になることが見込まれる。第三四半期のGDP予想ベースでは前年同期比4.5%の成長見込みとなっているが、現時点の都市規制や行動制限を織り込むと目標達成は難しく、追加的な景気刺激策が必要となってくると思われる。いずれにせよ、今週控える足元の中国経済のデータに注目が集まると考えられる。

 

 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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