IMF支援プログラムに関する対話の再開を目指す
国際通貨基金(IMF)は、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とラニル・ウィクラマシンハ首相がコロンボ(スリランカ最大の都市)での歴史的な抗議行動の後に辞任を決めたため、「プログラムに関する議論を再開するべく、政治危機が解決されることを望んでいる」と発表した。
IMFスリランカ上級代表のピーター・ブロイヤーとIMFスリランカ代表のマサヒロ・ノザキは声明で、「我々はスリランカで進行中の事態を注意深く見守っている」と述べた。
「我々は、IMF支援プログラムに関する対話の再開を可能にするような状況を望んでおり、スリランカの財務省および中央銀行のカウンターパートとの技術的な協議を継続する予定である」。
退陣は7月13日か
IMFは、財務大臣でもあるラニル・ウィクラマシンハ首相との政策レベルの対話を終え、解決すべき財政問題があった。一方、中央銀行のナンダル・ウィーラシンゲ総裁は、金融プログラムの目標がまとまったと述べた。
そして、7月か8月には中間予算が組まれる予定であった。
7月9日、抗議者たちが大統領官邸と大統領執務室を占拠し、ウィクラマシンハ首相の私邸も放火されたが、これは警備にあたっていた警察の特別機動部隊が、抗議者たちを取材していたジャーナリストグループを突然襲撃したためである。
マヒンダ・アベイワデナ議長は、ラジャパクサ大統領は7月13日に退陣することに同意したと記者団に語り、ウィクラマシンハ首相は、全党政権の準備が整い次第、辞任すると述べた。
インフレ率、6月には50%超
スリランカのインフレ率は、2年にわたる紙幣増刷と、1米ドル=200ルピーから1米ドル=360ルピーに下落させた通貨政策の失敗の後、6月に50%を超えた。
IMFの声明によると、「我々は、進行中の経済危機が国民、特に貧しい人々や弱い立場の人々に与える影響を深く懸念しており、IMFの方針に沿って、この困難な時期にスリランカを支援するという我々の約束を再確認している」と述べた。
IMFは債権者との再建協議が開始されるまで正式に合意するが、スタッフレベルの合意は2022年8月頃と予想されている。