日本企業の「2022年度業績見通し」を更新【ストラテジストが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●22年度の売上高は前年度比+11.4%、純利益は同+11.1%、引き続き2ケタの増収増益へ。

●製造業・非製造業の区分でも共に増収増益予想、ただ製造業の純利益伸び率は2ケタに届かず。

●22年度の経常利益について、増益寄与が大きいセクターとしては運輸、鉄道、自動車などを予想。

22年度の売上高は前年度比+11.4%、純利益は同+11.1%、引き続き2ケタの増収増益へ

今回のレポートでは、弊社が独自に調査を行っている457社のうち、金融とソフトバンクグループを除く406社について、2022年度の業績見通しを解説します。見通しは前回、4月1日付レポート「新年度入り後の日本株は企業業績に注目」で、お伝えしていますが、その後、調査対象とする企業の変更もあり、今回はその点も踏まえ、売上高、経常利益、純利益の見通しを更新します。

 

はじめに、406社全体の業績見通しを確認します。2022年度の売上高は594.8兆円、経常利益は53.6兆円、純利益は37.9兆円を見込んでおり、前年度比の伸び率は、順に+11.4%、+11.4%、+11.1%となっています【図表】。2021年度の実績に比べると、経常利益と純利益の伸び率は、かなり落ち着いた数字となっていますが、引き続き2ケタの増収増益を予想しています。

 

(注)2022年6月9日時点における三井住友DSアセットマネジメントの見通し。金融とソフトバンクグループを除く。 (出所)三井住友DSアセットマネジメント作成

【図表】弊社が調査対象とする主要企業の業績見通し (注)2022年6月9日時点における三井住友DSアセットマネジメントの見通し。
   金融とソフトバンクグループを除く。
(出所)三井住友DSアセットマネジメント作成

製造業・非製造業の区分でも共に増収増益予想、ただ製造業の純利益伸び率は2ケタに届かず

次に、406社のうち、製造業233社の業績予想をみていきます。2022年度の売上高は355.5兆円、経常利益は34.0兆円、純利益は23.9兆円を見込んでおり、前年度比の伸び率は、順に+12.6%、+10.1%、+9.4%となっています。2021年度の実績に比べると、やはり経常利益と純利益の伸び率が縮小し、純利益の伸び率は、2ケタにわずかに届かない予想となっています。

 

そして、非製造業173社の業績予想については、2022年度の売上高は239.3兆円、経常利益は19.6兆円、純利益は14.0兆円を見込んでいます。前年度比の伸び率は、順に+9.7%、+13.7%、+14.1%となっており、2021年度の実績に比べた場合、利益の伸び率は鈍化することになります。ただ、純利益の伸び率は2ケタを維持し、製造業の純利益の伸び率を上回る見通しです。

22年度の経常利益について、増益寄与が大きいセクターとしては運輸、鉄道、自動車などを予想

2022年度は、事業環境の不透明感は依然強いものの、新型コロナウイルスの悪影響が徐々に緩和し、円安の進行も業績の追い風になるとみています。弊社が分類する31セクターのうち、経常利益の増益予想は22セクター、減益予想は9セクターです。増益寄与が大きいセクターは、運輸(倉庫・物流)、鉄道、自動車などで、鉄、非鉄・電線、資源・燃料などはマイナス寄与とみています。

 

なお、東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く)のうち、5月16日時点で2022年度の業績見通しを公表している企業について、入手できるデータに基づき集計したところ、売上高は前年度比+9.3%、経常利益は同-3.3%、純利益は同-4.2%でした。弊社の見通しと単純比較はできませんが、かなり保守的な数字であり、潜在的な見通しの上方修正余地と、株価の上昇余地は大きいと思われます。

 

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本企業の「2022年度業績見通し」を更新【ストラテジストが解説】』を参照)。

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

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    三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト

    旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。
    現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。
    著書に「為替相場の分析手法」(東洋経済新報社、2012/09)など。
    CFA協会認定証券アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。

    著者紹介

    投資情報グループは、運用や調査経験豊富なプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの情報発信を行っています。幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、年間で約800本の金融市場・経済レポートの発行の他、YouTube等の動画、Twitterでの情報発信を行っています。

    著者紹介

    連載【市川雅浩・チーフマーケットストラテジスト】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

    【ご注意】
    ●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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