※画像はイメージです/PIXTA

下流老人、老後破産……なんとも辛い言葉が多くなった昨今。これまでしっかりと働き、定年時にまとまった貯蓄を残していたエリート会社員も、1つの「まさか」で思い描いていた豊かな老後が破綻してしまうのです。

年収1000万円超…元エリート会社員を襲った悲劇

今年70歳になるAさんは、当時東証1部(現在はプライム市場)上場の大手メーカーで部長まで勤めた元エリート会社員。5つ年上の妻Bさんとの2人暮らしです。

 

まじめで堅実なAさんは、現役時代から株や国債で資産形成を行い、60歳で定年退職時には、退職金を含めておよそ1億円の貯蓄がありました。

 

職場からは引き留めもありましたが、「現役時代にかまってやれなかった嫁とのんびり暮らしたい」との希望で退職。現在は特段仕事をせず、自身の厚生年金25万円とBさんの国民年金5万円、計30万円で暮らしています。

 

子どもは1人。今年44歳になる娘がおり、遠方に嫁いでいることから数年に1度程度しか会えません。

 

こうしたなか、65歳になったAさんは、緑の多い東京郊外に2LDKのマンションをおよそ6,000万円で購入。また、車が趣味のAさんは、Bさんと2人で快適なドライブをしようと、およそ800万円の高級国産車を購入しました。貯蓄は一気に減りましたが、年金が月に30万円も受け取れることから、問題なく暮らせるだろうというのがAさんの考えでした。

「まさかの事態」で状況が一変…急激に減る貯蓄

ところが、新居に移ってすぐ、状況は一変します。

 

Bさんが認知症を発症してしまったのです。唯一の娘は遠方で生活をしており、今年大学受験を控えた子どももおり、時間的にも経済的にも余裕はなく、手は借りられない上昇でした。加えて、それまでずっと仕事人間として生きてきたAさんには、家事をしながら奥さんの介護をすることは難しかったのです。

 

Aさんは仕方なく、Bさんを介護施設に入れることにしました。

 

そこでAさんが選んだのは、料金がかなり高い老人ホームでした。しっかりとした施設を選んだのは、これまでずっと家庭を支えてくれていたBさんに対するAさんの愛情だったのでしょう。ただし、この老人ホームは、一時入居金が2,000万円も必要でした。Aさんの資産は、15年でおよそ10分の1にまで減少してしまったのです。

 

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