(※写真はイメージです/PIXTA)

肝臓病は、原因はなんであれ肝炎→肝硬変→肝がんへと進行していくことがあります。これは、日本人の3人に1人といわれる「脂肪肝」も例外ではありません。本稿では、近年注目を集めている「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」、いわば「飲酒が原因でない脂肪肝」に焦点をあて、治療方法を見ていきましょう。みなと芝クリニック院長・川本徹医師が解説します。

脂肪肝の改善が期待されるサプリメント・漢方系

オルニチン(肝臓で活躍するアミノ酸)、タウリン(タンパク質が分解する過程でできるアミノ酸に似た物質。消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きがある)、カルニチン(脂肪代謝に重要なアミノ酸)は歴史が長いサプリメントということで、治療に使われることがあります。

 

私自身は、玄米に注目しています。漢方のなかにも玄米を利用したものがありインスリン抵抗性を改善したり、善玉のアディポネクチンを増やしたりという作用が知られています。玄米中にはイノシトールやフィチン酸という成分があります。イノシトールは肝臓を強めて老廃物を体の外に排泄する役割があります。フィチン酸には、老廃物を排出する機能が期待できます。日本人の食事に取り入れやすい食材として有用ではないかと思います。

 

図表3に挙げたサプリや漢方は、日常食べても良いものをリストアップしています。薬物治療の後に症状が安定している場合や、患者が薬剤を希望しない場合にはサプリメントが勧められます。ただ注意点として、サプリメントは自費になります。また効果や質も製品によりまちまちです。摂り方によっては肝臓に負担がかかる場合もありますので、自己判断で摂るのではなく、サプリメント処方に詳しい医師に相談してください。

 

[図表3]脂肪肝の改善が期待できるサプリメント・漢方

 

サプリメントは、元々は食品であり、健康維持のために活用して良いものです。脂肪肝でないけれど、予防したいという人がこうしたサプリメントを摂取するのは悪いことではありません。

 

 

川本 徹

みなと芝クリニック 院長

 

 

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※本連載は、川本徹氏の著書『死肪肝』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

死肪肝

死肪肝

川本 徹

幻冬舎メディアコンサルティング

沈黙の臓器、肝臓。 「気付いたときにはすでに手遅れ」を防ぐために――。 臨床と消化器がんを研究し、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターでがん治療の最先端研究に携わった著者が、脂肪肝の基礎知識とともに肝…

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