(写真はイメージです/PIXTA)

これまで、経営者の住所は登記情報で必ず公開されていました。しかし、プライバシー保護の重要性が高まっている昨今、制度が見直される方向で進んでいます。企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士がその内容を整理するとともに、改正される理由などについて詳しく解説します。

経営者の住所がネット非公開へ…改正の中身

法務省は2022年2月15日、経営者の住所公開について見直しをする旨を公表しました
※ 日本経済新聞:社長の住所、ネット非開示 登記情報巡り法務省

 

経営者の住所公開に関して改正が見込まれる内容は、次のとおりです。

 

インターネット閲覧では原則として経営者の住所が非公開に

オンラインで登記情報を閲覧することができる登記情報提供サービスにおいては、経営者の住所を全面的に非公開とする方向で改正がなされる見込みです。改正後に経営者の住所を知りたい場合には、紙での登記事項証明書を取得しなければなりません。

 

DV被害者などは全面的に非公開に

紙で発行される登記事項証明書においては、原則として引き続き経営者の住所が掲載される見込みです。

 

ただし、DV(ドメスティックバイオレンス)の犯罪被害を受けるおそれがあるなどと経営者などから申出があった場合には、登記事項証明書においても住所を表示しないこととされます。

 

この場合には、本来であれば経営者の住所が表示される欄に、「商業登記規則第31条の2の規定による措置」などと記載がされる予定です。

プライバシーを守る…「住所公開」見直しの背景

経営者の住所が非公開となる方向で改正がされる最大の理由は、経営者のプライバシー保護です。

 

登記事項証明書などに経営者の住所が掲載されることは、従来から問題視されていました。特に、女性や今回配慮の対象となったDV被害者などにとっては、会社設立の大きな障害となっていたといえます。

 

また、住所を簡単に調べられることにより、自宅へのダイレクトメールの送付や突然の営業訪問などの迷惑行為に遭うリスクや、資産を持っていると予測を付けた強盗などに狙われるリスクもあるでしょう。

 

生活の本拠地が公開されないための苦肉の策として、住居とは別の場所にウィークリーマンションなどを借りてそこに住民票を移したうえで住所として登記するなどの方法が取られる場合もあり、プライバシーを守るために無用なコストがかかっていたといえます。

 

今回の改正でも紙の登記事項証明書では原則として住所は公開されるため、経営者の住所が全面的に非公開となるわけではありません。

 

そうであるとはいえ、これまで当然のように経営者の住所が公開されていた状況に一石を投じるものであり、大きな前進といえるのではないでしょうか。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士
 

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    本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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