消費税還付を受けたら要注意?「赤字でも税務調査の対象になる会社」の決定的特徴【税理士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

赤字で申告している会社に、税務調査が来ることはあるのでしょうか。消費税の還付を受けている場合や、損益通算している場合などは、むしろ税務調査に入られる可能性は上がるといいます。赤字会社への税務調査はどの程度あるのか、調査対象となりやすい法人の特徴とは何か。税務調査を専門とする税理士法人松本が解説します。

一見「儲かっていない会社」でも税務調査の対象

結論から言うと、赤字申告している会社であっても、税務調査が来る可能性はあると言えます。「税務署も人件費を出して調査するのだから、儲かっている会社しか調査へ行かない」などと言われることもあります。しかし、税務署の視点から見れば、一見儲かっていないような会社も充分調査対象となることがあるのです。

 

■1件あたりの申告漏れ額や追徴税額は上昇中

国税庁のホームページでは、法人税や消費税、源泉所得税などに対する調査実績の概要として、毎年統計を公表しています。

 

2022年3月現在の最新データによると、令和2事務年度の税務調査件数は法人税及び消費税が約25,000件、源泉所得税では約29,000件の税務調査が実施されています。

 

前年度の調査件数がそれぞれ76,000件と90,000件であったことと比較すると、令和2年度は調査件数が前年の3割程度に留まった印象です。

 

しかし、1件あたりの追徴税額を見てみると、令和2事務年度は約7,806,000円となっており、前年の3,135,000円の約2.5倍の額となっていました。

 

このことから、令和2年度はコロナの影響もあり、税務調査件数自体は抑えられたものの、情報収集に力を入れて追徴税額が大きな法人に絞って調査を実施したことが伺えます。

 

■本格的な税務調査だけでなく「簡易な接触調査」も実施中

本格的な税務調査だけでなく、書面や電話連絡、税務署への来署依頼による面接といった簡易な接触は法人税及び消費税が68,000件、源泉所得税が138,000件ほど実施されたことも公表されています。

 

簡易な接触とはいえ、納税者へ申告内容に関する指摘を行い、修正申告を促す点は実地調査と同じです。

 

簡易な接触によって、62億円(法人税・消費税)と74億円(源泉所得税)の追徴税額が発生している事実から、簡易な接触による調査は今後も継続されると予想されます。

 

■赤字会社でも申告内容に誤りがあれば調査の対象

税務署では、単純な売上や利益の大きさよりも「申告内容に不審な点や誤りがないか」「申告漏れや過少申告がないか」という視点で調査や情報収集をしています。

 

税務調査の目的は、適正な申告・納税を促すことにある為、黒字と赤字に関わらず、常にすべての会社が税務調査の対象となっていると考えた方がよいでしょう。

 

とはいえ、毎年実施できる税務調査の件数は限られています。税務調査に選ばれやすい法人の特徴などについて、以下で更に詳しく見ていきましょう。

税務調査の対象となりやすい法人の特徴

税務調査の対象として選ばれやすい法人の特徴には、以下のような点が挙げられます。

 

<赤字を偽装している会社>

実際は黒字であるにも関わらず、帳簿操作などで赤字に偽装している会社は、税務署から調査対象とされている可能性があります。

 

●経費の水増し

●売上の期ズレ

●赤字の欠損繰戻し

 

などがある法人は、特に注意が必要です。特に欠損繰戻しによる還付については、申請があった場合には欠損の事実を調査する必要があります。その為、申請したことによって事実がバレたり、偽装を指摘されたりする場合があるのです。

 

<消費税の還付を受けている会社>

赤字の偽装と並び、調査対象となりやすいのが消費税の還付を受けている会社です。国税庁では、消費税の不正還付を受けた会社から、総額34億円の不正還付を発見し、219億円も追徴した事実を公表しています。

 

架空の仕入れがあったように見せかけて書類を作成したり、消費税が免除となる海外へ売上があったように偽装していたりした場合も、調査対象となりやすいでしょう。

 

欠損の繰戻しと同様に、消費税還付申告書を提出した会社も、本当に還付を受けられる会社かどうかを調査される可能性があると考えた方がよいでしょう。

 

<不正が発見されやすい業種>

税務署や国税庁では、過去の膨大なデータから、申告漏れや追徴課税、申告内容の誤りなどが発生しやすい業種についても公表しています。

 

令和2事務年度における不正発見割合の高い業種には、以下のようなものが挙げられています。

 

●バー、クラブ

●外国料理

●美容

●医療保健

●生鮮魚介卸売

●土木建築工事

●中古品小売

 

こうした業種に該当する会社の場合、その他の会社よりも調査対象となる可能性が高いかもしれません。

申告内容に不安があるなら税理士へ相談しよう

税務署からの指摘によって申告漏れや誤りが発覚した場合、修正申告で赤字から黒字に転換すれば、追徴課税もプラスされ、多額の税金を支払うことになりかねません。

 

「正しい申告をしていればよかった」と後悔しない為にも、申告は正しく行うことをおすすめします。

 

誤りや偽装をしていないつもりでも、計算ミスやうっかり忘れなどから、既に申告した内容に誤りが見つかる可能性も充分あるでしょう。

 

過去の申告内容に少しでも不安のある方は、税理士に相談してアドバイスを受けてみるのもよいでしょう。

 

赤字決算や中小規模の法人税申告、税務調査対応などに強い税理士事務所なら、1人で悩むよりも心強いサポートが受けられるでしょう。

まとめ:赤字会社であっても油断大敵

赤字会社であっても税務調査が来る可能性は充分あり、むしろ消費税の還付や欠損繰戻しによる還付などを申請することで、かえって周辺調査を実施される可能性が高まるケースもあります。

 

とはいえ、正しい申告を行っていれば、申告漏れや税務調査を必要以上に怖れる必要はありません。不正が発覚する割合が高い業種に該当していたり、過去に還付申告を受けた実績があったりするなどして不安がある場合は、税理士のサポートを受けると安心です。初回無料電話相談などを利用して、話しやすく信頼できる税理士や、税務調査対策の知識が豊富な税理士を見つけておくとよいでしょう。

 

 

税理士法人松本

 

税務調査特化税理士法人として全国5ヵ所(渋谷、亀戸、新宿、横浜、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。

国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。

税務調査相談実績は累計1000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。

(写真は代表税理士・松本崇宏氏)

【税理士法人松本HP:(https://無申告.jp/)

著者紹介

連載税務調査専門税理士法人が解説!税務調査の「こんなケース」の対処法

※本記事は、税理士法人松本のブログより転載したものです。

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