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問題文を読んで図に起こす
■塾では丁寧に教わらないから家庭での「スロー学習」で差がつく
問題文を読み、図に起こさないと正解できない問題であっても、すべての子どもがそのことに気づくわけではありません。実際のところ、書かずに解こうとする子どもはとても多く、なかでも多数派なのが、問題文にある図の中に書き込んで解こうとするタイプです。
次の図表2のような問題は、4つの問いそれぞれを図に起こし、解いていきます。
4つの問いを見ておわかりのように、点と点を結ぶ線が全部異なっています。ですから、問題文にある1つの図に書き込むわけにはいきません。でも、実際はそうする子が多いのです。1問目を解くために書き込み、答えが出たら消して、2問目にとりかかります。以降、同じように4問目まで解きます.
前の問題の思考過程は残っていないわけですから、「あれ?なんか変だな」「どこかで間違ったかな」と思っても、あとから検証できません。受験本番ではもう一度書き込む時間はありませんから、当然ながら「アタフタ」してしまいます。
手間をいとわず図を書いていれば、正解できる確率が数倍高まるのですが、そのメリットを知らない子が実に多いのです。
このようなタイプの問題を塾の授業で取り上げるとき、もちろん講師は板書します。しかし、「これを書けるようにしておきなさい」とは指導していないはずです。
講師が神業のような速さで板書し、流暢に解説します。板書を写し切れる子は2割ほどでしょう。あとの8割の子は、解説を聞いて答えを写すだけです。ですから、講師の説明が腑に落ちるまでにはいかず、ぼんやりとした印象としてしか残りません。
そのとき、子どもはどう思っているかというと、「よし、わかった!」「また同じような問題が出たら、次は解けるだろう」というのが大半です。でも、実際には解けません。説明を聞いているだけではダメで、家に帰って一度でも書いて復習する時間をとっていれば、学習内容の理解度がまったく違ってきます。
図が下手でも、雑でもまずは大丈夫です。手を動かす習慣をつけることが大切なのです。
「スピーディー」に解けそうな問題こそ試行錯誤
■手を動かせば、「確実に解ける方法」が本番で降りてくる
「問題文が長いものは難しい、短めのものはそれほどでもない」と勘違いをしている親御さんがたくさんいらっしゃいます。そのため、問題文が短いものは「スピーディー」に解いたほうがいいと考え、お子さんにそう教えようとするのです。
とくにお父さんは、「連立方程式で解けば簡単だから」と、子どもに教え込もうとしがちですが、中学受験の算数がいくらハイレベルでも、算数と数学はまったくの別物です。
「書く・スロー学習」で最も忘れてほしくないのは、問題文をヒントに自分の手を動かして試行錯誤することです。どのようにすれば、書いて学習内容をより深く理解できるようになるのか、次の図表の芝中学(2019年)の算数の入試問題を例に紹介します。
「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤の「スロー学習」が習慣づいていれば、本番でもいつもどおりの安定した行動をとることができます。確実に正解にたどり着ける方法が、本番で頭の中に降りてくるのです。
塾での勉強がハイレベルかつハードになればなるほど、子どもは「裏ワザ」や「いざというときのテクニック」を覚えて、頼りにしようとします。そんなとき、親御さんから「書いてみたらわかるんじゃない?」「時間がかかっても大丈夫だよ」という声かけがあれば、お子さんに「スロー学習」の重要性が伝わるでしょう。
西村 則康
プロ家庭教師集団「名門指導会」代表