(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後、再就職先で好印象を持たれる素敵なシニアになるには、どうすればよいのでしょうか? セカンドキャリアコンサルタントの髙橋伸典氏が、自身や知人の体験をもとに、好印象を持たれるためのポイントを解説します。

「褒める、ありがとう」を習慣化する

相手を褒め、ありがとうと言うために必要なこと

あなたは人のことを褒めていますか? 多くのシニアはあまり人を褒めていないのではないでしょうか。「そんなのわざとらしくて恥ずかしいよ」と消極的な人が多い気がします。

 

若い人は抵抗感がなく自然に褒めていると思います。シニア世代は年代的にあまり褒める文化が無かったですよね。だからこそ人を褒めると、人から「オッ」と思われ好感度が上がりやすいかもしれません。

 

人を褒めるのは簡単そうで、実は奥深いものがあります。まず、褒めるときは最初にその人を認めることから始まります。本当にそう思わないと言葉は出てきません。

 

人の良い所がわからない、と思う人もいます。多分あまりその人のことを受け入れようとしていないのかもしれません。人の良い所を見つけようと心がけていると、良い所が見つけやすく自然と目に入ってくるようになります。だから普段からその人のことを理解しようと前向きな気持ちでいることが大切なのです。

 

また、あなたは人に対してありがとうと言っていますか?あなたはあなたが気付かないところで人からの親切を受けているはずです。

 

家庭でご飯を作ってもらった、職場で仕事を手伝ってもらった、友人に話を聞いてもらった、店員さんから親切に接客をしてもらった、などキリがありません。気付かずサラッとすぎてしまうことも多いと思います。

 

そうならないために、人は人の助けがなくては生きていけない、という気持ちを持つことも必要ではないでしょうか。

 

思うだけではダメ、口に出そう

褒めること、感謝することが見つかった後は、それを口に出しましょう。心の中で思うだけなら多くの方がされていますが、それを口に出すには少しの勇気がいります。少し照れるかもしれません。しかし、言うことで確実に人は喜んでくれます。思っていることを発するのは、「あなたと仲良くなりたい」という信号です。それが人間関係を深めるきっかけになるものです。

 

また、言うタイミングも大切です。思ったらすぐに言うようにしましょう。すぐに言うことで本当にそう思っているのだと伝わります。これが少しずれるとわざとらしくなりますので気を付けましょう。

 

最初はたどたどしくてもかまいません。逆に一生懸命言おうとしている姿に好感度が高まるかもしれません。言っていくうちに段々慣れてきます。慣れるとすぐに口から出てくるようになります。まさに習慣です。

 

習慣になると褒める言葉や褒める表現に磨きがかかってきます。「まるで〇〇のようだ」など、比喩もでてくるかもしれません。相手が喜んでくれると、その人の良い所を見つけようとさらにいい循環が起こってきます。そうなると段々楽しくなってきます。

 

脳科学的に面白いデータがあります。脳は主語の識別ができないらしく、自分が言ったことと、他人が言ったことと、同じにとらえるようです。つまり、人を褒めると自分を褒めていることになるというのです。また人にありがとうと言うと、自分にありがとうと言っていることになります。まさに一石二鳥というわけです。

 

人を褒め、人にありがとうと言うことで、あなたのまわりにいる人たちを明るく、楽しくさせませんか。

 

<ポイント>

●褒めることと感謝を伝えることで、相手も自分も幸せになる。

●小さなことで良いので、思ったことを口に出して伝えよう。

 

髙橋 伸典

セカンドキャリアコンサルタント

※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

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髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

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