(画像はイメージです/PIXTA)

6月10日(金)、ニューアルバム『Proof』をリリースしたBTS。活動の集大成と言えるその内容から「もうすぐメンバーが兵役に行き、活動に区切りがつくのでは?」といった声も聞かれる。「兵役免除」の特例が成立するとなれば韓国内である程度の批判は避けられないであろうが、実際に入隊するとなれば、韓国経済に与えられる経済的損失は計り知れない。その「最悪のシナリオ」とは……。

韓国経済、そして外交に「想定される最悪のシナリオ」

特にコンサートは韓国を中心に開催されるにも関わらず、外国人比率が20%を超える。そのため、BTSのコンサートは経済的波及効果が生まれるのだ。韓国文化観光研究院の試算によるとBTSのコンサート1回あたりで生まれる経済的波及効果は1,250億円にも及ぶ。

 

韓国やアメリカでのコンサートが年間10回開催されるとすると1兆2,500億円もの経済効果が生まれる計算になる。アルバムやコンテンツ配信などを合わせると1兆5,000億円程度の経済効果がなくなる。

 

経済損失はBTSの売り上げや経済的損失に留まらず、所属事務所のハイブの株価にも影響する。ハイブは韓国株式市場に上場しており、韓国エンターテインメントをけん引する企業として知られている。ジャスティン・ビーバーが所属するアメリカのイサカ・ホールディングスの買収で売り上げに占めるBTSの割合は低くなったものの、売り上げの半分程度をBTSに依存している状態だ。

 

当然BTSの活動ができなくなった場合、ハイブの株価が急落する可能性が高い。株価急落はBTSのファンだけでなく、ハイブへ投資している投資家にも経済的損失を与えるのだ。

 

BTSのメンバーが兵役に行くことによりBTSの活動ができなくなった場合、BTSが生む経済的波及効果がなくなり、ハイブの企業価値が急落する。世界を席巻してきた韓国のエンターテイメント業界はNetflixでの配信動画コンテンツとBTSのコンテンツの両翼で支えられてきた。その片翼を失うことは韓国エンターテイメント業界、ひいては韓国経済に大打撃を与えることは想像に容易い。

 

また、BTSはバイデンアメリカ大統領との異例の会談や韓国での文化勲章受章など外交や政治においても影響力が強く、BTSの兵役問題は韓国の政治面にも大きな影響を与えるだろう。

 

(クレディ・テック株式会社 代表取締役 村上 年範)

 

***

 

世論やメンバー本人たちの意向はともあれ、国家としてもBTSの活動が中断されることによる打撃は避けたいものであろう。今後の動向に注目が集まる。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧