穏便に終わった遺産分割…後日、長男夫婦が
父(母にとっては夫)の相続の際、長男の様子をみていたからでしょう。母は遺言書を作成してくれていました。それもきちんと専門家を交えて作成したもの。
実家は長女へ相続するとして、さらに実家の価値を算定し、それを考慮して預貯金の分配を考えた、完璧といえるような内容でした。
欲深い兄夫婦も納得する……遺言書の内容を確認した時、B子さんはそう感じたといいます。実際、兄夫婦も、実家の価値を算定までするという配慮に、特に反論はなかったよう。
「長男である俺のほうがもっともらえて当然なんだが、まあいいだろう」
そんなことを捨て台詞のように言ってきた兄夫婦に、「お母さんの面倒もろくにみてこなかったくせに!」と喉元まで出かかりましたが、ぐっと我慢したB子さん。以降、兄夫婦とは距離をおけば良い話……そう言い聞かせたといいます。
しかし、面倒なことは、それからすぐに起きたのです。
「母さん、保険に入っていたんだって!」
突然、兄夫婦が家にやってきたと思ったら、そう、大声で言いました。そう、母はB子さんを受取人とした生命保険に加入していました。死亡受取金は1,000万円ほど。
「そんなに多くないけど、B子を受取人にした保険があるから。私の介護で苦労をかけたから、そのお礼だと思って受け取って」
遺産分割で差をつけると、AさんとB子さんでトラブルになるからと、母なりの配慮でした。しかし、このことを親戚づてに聞いたAさん。夫婦でB子さんのところにやってきたのです。
B子さん「身の回りの面倒をみてくれた御礼に、だって」
Aさん「そんなこと、この前(遺言書を開封した時)、言ってなかっただろう!」
B子さん「だって保険金は相続財産の対象外だって、専門家の方が言っていたから」
Aさん嫁「そんなの不公平じゃない、彼は長男なのよ」
B子さん(……なんで、この人がしゃしゃり出てくるのよ)
Aさん「B子は保険金があるのだから十分だろう。預貯金はすべて俺によこせ」
とんでもない主張を展開する兄に、B子さん、言葉を失ったといいます。
Aさん嫁「そうよ、なんでこんなに図々しいのかしら」
B子さん(だから、なんであなたが出てくるのよ)
Aさん「ほんと、図々しにもほどがあるぞ、B子」
この兄夫婦の「図々しい」の発言に、我慢の限界を超えたB子さん。声を荒げて反論したといいます。
B子さん「どっち図々しいのよ、長男なのに、少しもお母さんの面倒をみてこなかったじゃない!」
部外者も含めた言い争いはしばらく続きましたが、当然、兄夫婦の主張は認められず、母の遺言書通りに遺産分割はされました。ただ母はきょうだいの行く末を心配し遺言書を作ったのにもかかわらず、その遺志は実現しませんでした。
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