人生の中で一番高い買い物は「家」、その次は「生命保険」といわれていますが、本当に生命保険はそんなに高い買い物なのでしょうか? これからはなんとなく保険を選ぶのではなく、保険会社を上手に利用するという感覚が必要です。FPの横川由理氏が著書『2022〜2023年版 保険 こう選えらぶのが正解!』(実務教育出版社)で解説します。

保険で備えるリスクとは?

■保険に入る? それとも入らない?

 

「保険には加入しない」という選択もあります。そもそも保険は、貯蓄では足りない「不測の事態」に備えるもの。

 

たとえば、終身保険を思い浮かべてください。この保険は一生涯の保障があり、貯蓄性のある保険です。必ず保険金を受け取ることができますから、お葬式代の準備や、老後の資金として活用できることがメリットだといえます。

 

しかし、「歳を取ってからの死亡は、不測の事態ではないので保険には加入しない」というのが正しい保険の考え方なのです。

 

もし長い間、終身保険に加入していらっしゃる人は、そのまま続けても大丈夫です。

 

■不測の事態とはどんなとき?

 

保険会社は保険を売ることが商売ですから、死亡やがんにかかるなど、当たり前のことを不測の事態のように取り扱う傾向にあります。

 

そもそも人が死亡する確率は100%ですし、2人に1人はがんにかかります。がんにかかる前や診断される前に死亡してしまうケースまで含めると、かなりの人が、がんにかかるといっても言いすぎではありません。

 

「不測の事態」。それは早すぎる死亡のことを指します。私たちは負担した保険料が戻ってきそうな保険を好みます。必ず保険金をもらえる「終身保険のほうがお得」な気分になったり、老後は病気になる可能性が高そうだから、「医療保険やがん保険には、ぜひ加入しておきたい」と思ってしまうのではないでしょうか。

 

そもそも、お得な保険は存在しませんし、歳をとって、入院をすることは不測の事態ではありません。こういった小さなリスクには、「保険には頼らない」と覚悟を決めてください。

 

■貯蓄でカバーできない部分に対処

 

保険に入るときは「必要最小限にする」という感覚を身につけましょう。貯蓄では足りないことを補うのが保険の役割でしたね。貯蓄で足りないのは、たとえば子育て世代の世帯主が死亡すること。子ども1人につき、教育費や生活費が2000万円ほどかかります。こういった大きなリスクに備えるのが保険です。

 

不安なことを全部保険に頼ってしまうと、保険料の負担が重くて、お金は貯まりません。まずは健康に気をつける、そして保険を上手に利用することで、貯蓄も増えていきます。保険に加入するのか、しないのかを見極める力をつけていきましょう。

 

出典:横川由理著『2022〜2023年版商品名がズバリわかる!保険 こう選えらぶのが正解!』(実務教育出版社)より。
出典:横川由理著『2022〜2023年版商品名がズバリわかる!保険 こう選えらぶのが正解!』(実務教育出版社)より。

 

横川 由理
FPエージェンシー代表

 

 

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本連載は横川由理氏の著書『2022〜2023年版 保険 こう選えらぶのが正解!』(実務教育出版社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

2022~2023年版 保険 こう選ぶのが正解!

2022~2023年版 保険 こう選ぶのが正解!

横川 由理

実務教育出版社

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