疫病の蔓延や世界情勢の悪化……不安定な世の中において、私たちはどのように生きていくべきしょうか。京セラ株式会社をはじめ、KDDI、JALと3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫氏は、数々の著作や講演で多くの人に勇気を与え、背中を押してきました。今回は、そんな稲盛氏がすべてのビジネスマンにおくった「366の箴言」より、7月4日〜7月10日の言葉を紹介します。
9日…尺取り虫
人生の歩みの中には、楽をしてひとっ飛びできるようなジェット機などはありません。自分の足で、自分で歩いていくしかないのです。夢を実現するための手っ取り早い手段や近道があると思うなど、とんでもないことです。一歩一歩を尺取り虫のように進んでいく、これが偉大なことへチャレンジする姿勢です。
10日…垂直登攀(すいちょくとうはん)
自分に妥協を許し、安易な道を選べば、その瞬間は楽でも、夢や高い目標を実現することができずに、必ず後悔することになります。
人生や仕事におけるどんな困難な山も、安易に妥協することなく、垂直に登り続けていくことが大切です。
強い意志を持って、一歩一歩地道な努力を日々継続する人は、いくら遠い道のりであろうとも、いつか必ず人生の頂上に立つことができるに違いありません。
稲盛 和夫
京セラ株式会社
名誉会長
京セラ株式会社
名誉会長
昭和7年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。34年京都セラミック(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、平成9年より名誉会長。
昭和59年には第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任、平成13年より最高顧問。22年には日本航空会長に就任し、27年より名誉顧問。
昭和59年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。
著書に『人生と経営』『「成功」と「失敗」の法則』『成功の要諦』、五木寛之氏との共著に『致知新書 何のために生きるのか』(いずれも致知出版社)など多数。
著者プロフィール詳細
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連載稀代の名経営者から「人生を豊かにするヒント」を学ぶ…週刊「稲盛語録」