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IMFは今回の報告書で、ウクライナでの戦争の経済への波及経路として、「世界的な商品市場」(エネルギー・食料の供給混乱や、需給の変化)「ロシアやウクライナとの貿易・送金」「国際的な生産ネットワークへの伝播」(サプライチェーンの上流が混乱することによる二国間貿易を超えた影響)「金融市場」(信用リスクの上昇)「人道的影響」(難民問題など)の5つを挙げている。
また、IMFはウクライナでの戦争がインフレ対策と経済回復の維持のトレードオフ、および、弱者救済と財政余力の確保のトレードオフ、という困難な政策課題を悪化させたと評価している。
成長率見通しを地域別に見ると[図表3・4]、22年は先進国(3.9→3.3%)と新興国・途上国(4.8→3.1%)のいずれも下方修正されている。
先進国では、欧州が世界的なエネルギー価格上昇の影響を受けており、またサプライチェーンの混乱によって自動車産業を中心に生産減少、インフレ圧力をもたらしていることから、ユーロ圏の成長率(22年3.9→2.8%)が大幅下方修正された。
特に相対的に製造業部門が大きく、ロシア産エネルギーへの依存度が高いドイツ(22年3.8→2.1%)やイタリア(22年3.8→2.3%)で修正幅が大きかった。また、日本(22年3.3→2.4%)も一次産品の純輸入国であることから、下方修正幅は大きかった。
一方、米国(22年4.0→3.7%)やカナダ(22年4.1→3.9%)は、ロシアとの関連が小さいため、見通しの修正幅も小さかった。ただし、いずれも若干下方修正された。
米国の「ビルド・バック・ベター」の財政支出は21年1月の見通しでも前提から除かれているが、今回は金融引き締めの積極化や戦争による貿易相手国の成長鈍化が影響した。カナダは財政支援策の縮小や、米国向け外需の落ち込みが影響した。
新興国・途上国は、戦争の当事者であるウクライナの成長率が22年で▲35%と予測されているほか、ロシア(22年2.8→▲8.5%)が厳しい貿易・金融制裁や外国企業の撤退を受けて、大きく下方修正されている。
その他の国では、中国(22年4.8→4.4%)が、感染力の高いオミクロン株に対してゼロコロナ戦略を講じており、移動制限や地域的な都市封鎖を実行していること、都市部の雇用回復も緩慢であることが民間消費の重しと指摘されており、さらに不動産関連投資の低迷と戦争による外需の落ち込みが下方修正の要因となっている。また、インド(22年9.0→8.2%)が日本と同様に一次産品の純輸入であることから、大きく下方修正された。
一方、石油輸出国は化石燃料価格の上昇が成長の押し上げ材料となり、サウジアラビア(22年4.8→7.6%)といった産油国では成長率が上方修正されている。
インフレ率の見通しは[図表5]、戦争による一時産品価格の上昇と物価上昇圧力が拡大しているため、22年は先進国で3.9→5.7%、新興国・途上国で5.9→8.7%、23年は先進国で2.1→2.5%、新興国・途上国で4.7→6.5%といずれも大幅に上方修正されている。
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