(※画像はイメージです/PIXTA)

ただでさえややこしい相続手続き。国をまたいだ相続が発生すると、「どちらの国の法律に準拠すれば?」といった疑問が湧き出ます。日本と韓国の相続手続きについて、日本経営ウィル税理士法人の顧問税理士・親泊伸明氏が解説します。

韓国の課税範囲は「亡くなった人の居住地」で変わる

■韓国の相続税法上の納税義務者

韓国では、相続税の納税義務者を次のように規定しています。

 

・相続人(特別縁故者のうち営利法人は除く)または受遺者(営利法人は除く)は相続財産のうち、各自が受け取った、または受け取る財産を基準に大統領令で定める割合により計算した金額を相続税として納付する義務がある。

 

韓国においても、日本と同様に「財産を相続した人」が相続税を納付する義務があると規定されています。

 

そして、課税財産の範囲は韓国では次のように規定されています。

 

亡くなられた方が居住者の場合:全世界財産

 

亡くなられた方が非居住者の場合:国内にあるすべての相続財産

 

このように、韓国では亡くなられた方が居住者か非居住者かによって判断することになります。

 

■まとめ

全世界財産に課税するのか、国内財産にのみ課税するのかは、日本では相続人が日本国内に住所を有するかどうかで概ね判断されますが、韓国では亡くなられた方が韓国内に住所を有していたかどうかで判断されることとなります。

 

納税義務者や課税財産の範囲は実務では非常に複雑になりがちです。相続税が発生すると見込まれる相続財産がある場合には、専門家に相談されることをおすすめいたします。

 

 

親泊 伸明/しんぱく のぶあき

日本経営ウィル税理士法人 顧問税理士

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本稿は筆者が令和4年1月現在の情報に基づき、一般的な内容を簡潔に述べたものである為、その内容の正確性、完全性、最新性、信頼性、有用性、目的適合性を保証するものではございません。実際の判断等は個別事情により取り扱いが異なる場合がありますので、税理士、弁護士などの専門家にご相談の上ご判断下さい。

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