「高齢両親のため、介護保険を申請したい…」手続きの流れと、使えるサービス&実際の負担額【特定社労士が解説】

「高齢両親のため、介護保険を申請したい…」手続きの流れと、使えるサービス&実際の負担額【特定社労士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

65歳以上の年齢の方(あるいは40歳以上の特定疾病の方)で、生活の介助や介護が必要になると、介護保険の申請を行うことになります。ここでは、具体的な申請手続きの流れや、介護保険サービス利用にあたっての自己負担額などについて解説します。

「一次判定+二次判定」を経て、介護認定審査会が決定

【対象】 65歳以上の人(40歳以上の特定疾病の人)

【制度】 介護保険

 

介護認定はコンピュータによる一次判定と主治医の意見書などを踏まえた二次判定をもとに、介護認定審査会が決定します。

 

◆申請後に行われる認定(訪問)調査 

 

●介護の必要性を市区町村の窓口などに申請したら、要介護・要支援の認定を受ける。

 

●認定には調査を受けなければならないが、市区町村の職員、あるいは委託された居宅介護支援事業者が訪問調査員として聞き取り調査を行う。

 

●この聞き取り調査は、とくに難しい質問をするのではなく、普段どのような生活を送っているか、どのような身体的な不具合があるかなどの内容だが、調査員にはありのままを見聞きしてもらうことが大事。

 

●とくに認知症の心配のある人は、家族が同席しふだんのようすをメモして伝えるとよい。

 

●調査時間は30分から1時間程度。

 

 

◆主治医の意見書 

 

●介護が必要になる主な原因とされるのは認知症、脳卒中、転倒・骨折、関節障害などで、対象者の多くは医療的なケアが必要な高齢者。医学的に見てどの程度介護が必要かは認定するうえで重要なポイントになるので、「主治医が書く意見書」によって、認定は大きく左右されることがある。

 

●主治医がいれば、その医師に介護保険の申請についてあらかじめ相談しておくとよい。より適切な意見書がもらえる可能性が増えるので安心。

 

認定の手順

①要介護認定・要支援認定の申請 

●介護が必要になったとき、本人または家族などが市区町村の窓口あるいは地域包括支援センターに申請する。

●このとき「介護保険被保険者証」などを提出する。

 

②認定調査 

●市区町村の職員、または委託した居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)などが自宅などを訪問し、心身の状況などについて、本人や家族から聞き取り調査を行う。

②主治医の意見書 

●本人の主治医(かかりつけ医)に、心身の状況について市区町村より意見書の作成を依頼する。

●主治医がいない場合は、市区町村が指定した医師の診断を受ける。

 

③審査・判定 

●コンピュータに認定調査の結果と主治医の意見書が入力され、一次判定がされる。

●一次判定の結果と認定調査における特記事項・主治医の意見書をもとに市区町村が任命した「介護認定審査会」で審査し、介護の必要性を総合的に判断され、要介護状態区分が判定される。

 

一次判定  +  特記事項・主治医の意見書  →  介護認定審査会

 

④認定・通知 

●介護認定審査会の判定に基づき、「要支援1・2」「要介護1~5」の認定、または「非該当」の決定が行われる。

●その結果が記載された「認定結果通知書」と申請時に提出した「介護保険被保険者証」が送られてくる。

●原則として申請日から30日以内に送られるが、事情によって遅れる
こともある。

 

※本連載は、溝口知実氏の著書『困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と役立つサービス』(自由国民社)より一部を抜粋、再編集したものです。

困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と使えるサービス

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溝口 知実

自由国民社

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