「介護保険料」滞納者は少ないが、万一やらかすと…負担額増、保険給付制限等で泣くハメに【特定社労士が解説】

「介護保険料」滞納者は少ないが、万一やらかすと…負担額増、保険給付制限等で泣くハメに【特定社労士が解説】

介護保険料は、健康保険料や年金と紐づいているため、滞納は起こりにくいといえますが、万一滞納すると、どのような事態が起こるのでしょうか。また、介護保険が自分自身に適用されるときは、どのような状況においてでしょうか。特定社労士が解説します。

介護保険料を滞納すると、督促状が届き遅延金が発生

【対象】 40歳以上

【制度】 介護保険

 

介護保険料を納めないと20日以内に督促状が届きます。滞納すると延滞金が発生するので、生活困窮の場合は、市区町村の窓口で相談を。

 

◆滞納による延滞金 

 

●介護保険料は健康保険料や年金と関連させて納めるため、滞納する人は少ないが、なんらかの事情で納付期限までに納められない場合、納付期限が過ぎたら、20日以内に市区町村より督促状が届く。

 

●この時点で延滞金が加算され、督促状にある指定期限が過ぎたら延滞金は増額になるので注意が必要。

 

延滞金が生じるケース

◆滞納を続けると保険給付に制限が発生する

 

●1年以上滞納が続くと原則1割で利用できる介護保険サービスの給付に制限が発生する。

 

●1年以上未納の場合は、費用の全額をいったん支払い、のちに申請によって給付分を戻してもらう償還払いになる。

 

●滞納が2年以上続くと、原則1割で利用できる介護保険サービスが所得に関係なく、3割負担となり、高額介護サービスの給付が受けられなくなる。

 

●第2号被保険者(40~64歳の人)の場合、医療保険と介護保険の保険料を滞納すると、保険給付のすべて、あるいは一部が差し止めになる場合がある。

 

※このほか督促手数料100円程度を徴収する市区町村が多いようです。
[図表1]延滞金が生じるケース ※このほか督促手数料100円程度を徴収する市区町村が多いようです。

 

保険料滞納による保険給付の制限

①1年以上未納

費用の全額をいったん事業者に支払い、市区町村に申請することにより保険給付分の払い戻しを受ける(償還払い)。


②1年6カ月以上未納

①のような償還払いを申請しても、滞納している保険料を納めてからでないと保険給付は受けられない。それでも納付のない場合は、保険給付分から滞納している介護保険料を差し引かれることがある。


③2年以上未納

通常1割(所得によって2・3割)の自己負担で利用できる介護サービスが、所得に関係なく3割の負担になる。さらに高額介護(予防)サービスなどの給付が受けられなくなる。

 

[図表2]保険料滞納による保険給付の制限

 

次ページ自分が「介護保険」を利用できるのは何歳から?

※本連載は、溝口知実氏の著書『困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と役立つサービス』(自由国民社)より一部を抜粋、再編集したものです。

困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と使えるサービス

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溝口 知実

自由国民社

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