介護費用は、一定額を超えると戻ってくる
【対象】 要支援・要介護認定を受けた人
【制度】 高額介護サービス費
介護保険には、自己負担額が一定額を超えると超過分が高額介護サービス費として払い戻されるしくみがあります。
◆高額介護サービス費の概要
●1カ月間に利用した介護保険サービス費の(世帯の)利用者負担の合計が高額になったとき、上限額を超えた分は「高額介護(予防)サービス費」として支給されるしくみがある。
●高額介護サービス費は居宅サービスだけでなく、特別養護老人ホームなどの施設サービスの利用料なども対象となっている。
●ただし、「福祉用具購入費」「住宅改修費」は対象外で、要介護度によって設定された支給限度額を超えた額も対象外。
●高額介護サービス費の限度額は、利用者の世帯や個人の所得によって違う。
◆手続きのしかた
①介護サービスを利用してから約3カ月後、高額介護サービス費の対象となる場合には、市区町村から通知と申請書が送られてくる。
②申請書に必要事項を記入・捺印し、市区町村へ郵送するか持参する。
③後日、申請時に指定した口座へ振り込まれる。
④申請は1度きりでよく、2回目以降は指定した口座に自動的に振り込まれる。ただし、初回の申請に関しては、サービス利用月から2年以内となっているため、市区町村から申請書が送られてきたら、期限切れにならないよう申し込むこと。
◆高額介護サービス費の対象と限度額
現役並み所得者に相当する人がいる世帯の人
負担の上限(月額):44,400円(世帯)※1
世帯のだれか住民税を課税されている人
負担の上限(月額):44,400円(世帯)
世帯の全員が住民税を課税されていない人
負担の上限(月額):24,600円(世帯)
前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下の人など
負担の上限(月額):24,600円(世帯)
負担の上限(月額):15,000円(個人)※2
生活保護を受給している人など
負担の上限(月額):15,000円(個人)
※1 「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した人全員の負担の合計の上限額を指し、「個人」とは、介護サービスを利用した本人の負担の上限額を指す。
※2 2020年12月現在(2021年度の介護保険制度改正で、「高額療養費」と同様の所得区分になる予定)
高額介護サ―ビス費の例
※要介護状態区分の支給限度額までサービスを利用した場合
①要介護3のAさん
前年の合計所得金額と公的年金の合計が年間80万円以下(個人)
支給限度額(自己負担額) 27,048円
利用者負担額 15,000円
→ 高額介護サービス費(戻ってくるお金) 12,048円
②要介護5の夫と要介護4の妻のBさん夫婦
世帯全員が住民税非課税
世帯の合計 サービスの自己負担額(67,155円)
夫=支給限度額(自己負担額)…36,217円
+
妻=支給限度額(自己負担額)…30,938円
利用者負担額 24,600円
→ 高額介護サービス費(戻ってくるお金) 42,555円