自宅でレントゲン、その場で解析…デジタル化進む「在宅医療」 (※写真はイメージです/PIXTA)

さまざまな分野で進む、DX。医療の分野でも同様ですが、そのなかで在宅医療については、蚊帳の外、というイメージがあります。しかし医療法人あい友会の野末睦理事長は「病院医療よりも在宅医療のほうがDX化が進んでいる」といいます。最先端の在宅医療についてみていきましょう。

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最先端のイメージが強いが…実は遅れている病院医療

もしかして在宅医療の世界は、アナログな世界だと思っている人が多いのかもしれません。

 

病院で繰り広げられる、一刻一秒を争う救急医療。あるいは生死をかけた手術治療。心臓カテーテル治療に代表されるカテーテルを用いた神業的な治療など。これらはデジタル化技術を含む現代技術の粋を集めた治療体系、治療装置、治療システムの上に、それを使いこなすスーパースター的な医師がいて、まさにDX(デジタルトランスフォーメーション)の世界が具現化しているように、感じられるのではないでしょうか。

 

それに比較して、在宅医療の世界は、家族に囲まれて、時間がゆっくりと過ぎ、時には過去の思い出に浸りながら、涙する……まさにアナログ的な世界のように感じられるのかもしれません。

 

かつて、病院の集中治療室などでは、たくさんのチューブにつながれて、多くの薬剤が正確に注入され、また心電図を始めとしたモニターにもつながられ、現代医療の成果を享受していました。一方、患者の体を取り巻く多くの管(くだ)が体を巻き込んでいるように見えたことから、スパゲッティ症候群と揶揄されていました。

 

在宅医療はその対極にあり、行動の自由があり、さまざまな管からも自由で、食べたいものも食べることができる……というイメージがあり、何か、現代医療技術とはまったく関係なく行われていくものだというイメージがあるのではないのでしょうか。

 

しかしながら、実際の在宅医療の現場は、まさに現代の医療技術、情報技術などを駆使した世界であり、いわゆるDXが最も必要とされ、実際に実現している世界なのです。病院での医療は、DXという面ではむしろ遅れている面があり、「医療界のDXは在宅医療にあり」といえるような状況です。

 

病院から紹介される患者の情報を在宅医療の現場では、どのように取得しているのか……なんと、そのほとんどが電話による紹介です。紹介状にあたる診療情報提供書は、郵送あるいはFAX。とてもデジタル化しているとはいえない状況です。

医療法人 あい友会 理事長

1957年生まれ。82年筑波大学医学専門学群卒業、91年筑波大学臨床医学系(外科)講師。
93年 ハーバード大学医学部マーサチューセッツ総合病院研究員を経て、2002年庄内余目病院院長就任。06年 庄内余目病院創傷ケアセンター長兼務。14年 あい太田クリニック、20年 あい庄内クリニック、21年 あい駒形クリニックを開設。現在 医療法人 あい友会理事長兼 あい太田クリニック院長。
国内の7割以上が常勤医1名の過酷な訪問診療の現状に対し、多人数の医師体制にすることにより多くの患者へ高質な在宅医療特有の専門医療を提供出来る新しいモデルを構築。

著者紹介

連載現役医師が語る「在宅医療」の現状

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