本記事は、東洋証券株式会社の中国株レポートから転載したものです。

産業政策…引き続きIoT推進も重点は「法規遵守」

産業政策としては、引き続きIoT(モノのインターネット)を推進する方針が示された。具体的には、政府サービスのスマート化、スマートシティやデジタル農村、5Gの応用等の政策が並ぶ。

 

そのIoTの推進で中心的役割を担うインターネットのプラットフォーマーに対する規制については、21年全人代では「反独占を強化し、資本の無秩序な拡大を防止し、公平な競争の市場環境を断固として維持する」と示された。

 

一方、22年は「独占や不当競争に対する抑制を強め、公平で秩序だった市場環境を維持する」とし、表現が21年程厳しくないことがわかる。政府は21年の規制強化の成果にある程度満足しているとみられる。

 

今後は新たな規制強化から法規の遵守に重点が移っていくと推測される。

 

IoTにはスマート工場等、既存工業のレベル向上も含まれる。22年は全人代の中で、「製造業の核心的競争力の強化」として、サプライチェーンの安定維持に加え、産業インフラの再構築を始動し、先進製造業の発展を進める方針が示された。

 

そのために、金融機関から製造業へ中長期の融資を増加させる方針のようだ。実際、1~2月の製造業の設備投資は前年同期比20.9%増(12月:前年同月比11.8%増)と拡大。

 

特に、電子機器、コンピューター、一部機械等の分野では同30%以上の拡大となった。今年はスマート工場の建設元年になる可能性もあろう。

ウクライナ侵攻により強まる「景気下押し圧力」

2月24日のロシアによるウクライナへの侵攻開始を受け、資源や穀物価格が上昇し、中国への景気下押し圧力は強まっている。

 

今秋に共産党大会を控え景気の安定が最重視されるだけに、ゼロ・コロナ政策緩和の時期も若干前倒しになった印象がある。今後も景気が下振れする可能性が高まれば、追加の景気下支え策が発表されると見込まれる。

 

[図表1]21年と22年の政府活動報告の経済分野の比較
[図表1]21年と22年の政府活動報告の経済分野の比較

 

[図表2]全人代の産業政策のポイントと関連銘柄
[図表2]全人代の産業政策のポイントと関連銘柄

 

 

奥山要一郎

東洋証券株式会社

上海駐在員事務所所長
 

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