(※写真はイメージです/PIXTA)

最近注目されている、「老後資産形成」というキーワード。ここでは、資産形成に適した金融商品について検討していきましょう。iDeCoやNISA、株式/ETF、国内からアメリカ不動産投資まで、不動産コンサルティングを展開する村上年範氏が解説していきます。

8つの金融商品。なにを選ぶべきか…

■定期預金(=現金)

 

日本人には現金主義の方が多いでしょう。もちろん定期預金には流動性があり、積み立ても可能でまとまった資金は集まりますが、節税効果もなければ、当然投資効果も金利もほとんどありません。

 

■生命保険

 

生命保険も日本人に大人気です。現在、日本人の生命保険加入率は80%を超えています。少し前までは90%超でした。アメリカの生命保険の加入率60%、イギリスの生命保険の加入率40%と比べると、先進国の中でも圧倒的に日本人が生命保険好きであることがわかります。

 

定期預金と同様、コツコツ積み立てることが可能です。保険会社が運用してくれるため、リスクもある程度低いといえます。節税効果は、一部生命保険料控除というものが存在するため、若干存在します。

 

ただし、個人年金保険に入ると60歳あるいは65歳の時点でまとまったお金が入ってきますが、投資効果はほとんどありません。定期預金と比べればありますが、他の商品に比べると圧倒的に低いです。

 

そして生命保険は、老後生活においてのレバレッジはないと言ってよいでしょう。もちろん、亡くなった時には今までの掛け金よりも多くの死亡保険金が受け取れるため、レバレッジがかなり効くわけですが、生きている間はまったくレバレッジがありません。

 

■iDeCo

 

iDeCoは基本的に確定拠出年金であり、個人年金のようなものです。60歳にならないと引き出せないため流動性が非常に乏しいと言えます。

 

とはいえ、節税効果は非常に高いです。所得控除などの対象になるため、節税に関しては利回りに換算するとかなり良くなります。

 

iDeCoにも様々な商品があります。預金もあれば、国内外の債券・株式・不動産、そしてゴールドといった現物もあります。それぞれを組み込み、リスクを軽減しながら運用していくかたちになるでしょう。

 

■NISA

 

現在は積み立てNISAとしてロングで運用できるため、「iDeCoと積み立てNISA、どちらがいいのか?」という議論があります。

 

まずNISAは基本的に、「金融商品で得た収益」に対する税金が優遇されるため、利益が出なければ優遇はありません。iDeCoは所得控除の対象になるので、節税ができることが大前提である点が大きな違いです。

 

iDeCoとNISAは、どちらも証券会社が取り扱っている商品を自分でチョイスするため、そのリスクも自分で管理していく必要があります。

 

■株式/ETF・投資信託

 

株式/ETFは、流動性は非常に高いですが、比較的「短期の取引」を繰り返していくイメージです。例えば1つの個別株がずっと右肩上がりを続けるわけではありません。今はS&PやダウのETFを進めている方もいらっしゃると思いますが、アメリカが未来永劫ずっと上がり続けるかはわからないので、やはり商品選択が必要です。

 

投資信託は、ETFの上場していないバージョンと言えます。ETFと投資信託の大きな違いは、金融機関の手数料です。ETFはほとんど手数料がかかりませんが、投資信託に関しては運用手数料が取られるため、ETFのほうが利回りが高くなるかと思います。

 

■国内のワンルームマンション・一等収益不動産

 

一棟収益不動産というのは、アパートメントを指します。ワンルームマンションは、営業マンが「老後の資金の貯えになります!」と勧めてくることが多いですが、ワンルームと一棟、どちらに投資すべきなのでしょうか。

 

まず、レバレッジは収益不動産のほうが大きく効きます。物件の価格が大きいためです。そしてワンルームはほとんど利回りませんが、収益不動産は利回ります。利回りが大きいほうが流動性も高いので、ワンルームより一棟収益の方が流動性も高くなります。さらに、売却したときにまとまったお金が入るのも収益不動産です。

 

よって、「小さいものをやるより大きなものをやるべき」というのが結論です。もちろん融資が問題となりますが、信用が大きな方には、ぜひワンルームではなく一棟収益をおすすめします。

 

ただ、ここまで説明してきた8つのなかでどれも全部◎というものは1つもありません。どれも『帯に短し、たすきに長し』といったところです。

 

そこで「ポートフォリオ」を構築する必要があります。初心者の方は、ポートフォリオと言われても「はて?」と思うことでしょう。ポートフォリオとは、リスクをヘッジするためにさまざまな商品を「組み合わせる」という考え方です。

次ページポイントは「通貨」…アメリカ不動産も組み込むべき?

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