写真:PIXTA

フィリピンで大幅な外資規制緩和が行われることが決まりました。それにより海外から多くの投資マネーが流入し、経済成長が加速することが考えられます。外資規制の緩和の動きとその影響を受ける可能性のある財閥の動きについて、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が解説します。

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外資規制大幅緩和…フィリピン経済、長期経済成長へ

 

フィリピンでは、コロナ後の経済回復を加速化し、長期的な経済成長軌道に乗せるために、外資規制を大幅に緩和する動きが出てきています。

 

3月21日(月)に、ドゥテルテ大統領は、85年間改正のなかった公共サービス法(Public Service Act (PSA))改正案・共和国法第11659号に署名しました。このことにより、市場での競争が促進され、特に外資系企業の参入が開放された業界において、多くの海外からの投資が入ってくることが期待されています。

 

PSA改正は、通信、海運、航空会社、鉄道など基幹インフラ産業の近代化とグローバルプレーヤーの誘致に貢献するとみられています。競争の促進が、サービスの質の向上と競争力のある価格設定につながると考えられます。

 

そして、公共サービス法改正に先駆けて、最近可決された小売業自由化法(Retail Trade Liberalization Act (RTLA))と外資規制法(Foreign Investment Act (FIA))の改正と合わせて、外資の参入障壁を大幅に下げました。

 

これらの一連の外資規制の緩和措置により、フィリピンはさまざまなセクターに多くの投資を引き付けることができ、基本的なサービスを改善し、より多くの雇用を創出することでフィリピンに利益をもたらすと見られています。

 

この改正により、通信、国内物流、鉄道・地下鉄、航空会社、高速道路・有料道路、空港などの公共サービスが外資規制のある公益事業のカテゴリから削除されました。その結果、これらのサービスは外国人によって100%所有することが可能となり、1987年憲法によって設定された公益事業の40%の外国人所有制限の対象ではなくなりました。

 

これにより誘致される初期的な投資は、通信、輸送、ロジスティクス、鉄道分野で600億ドル(7兆円)を超えると見られ、2年間で1,000億ドル(12兆円)を超える可能性もあると言われています

 

公共サービス法に先だって調印された改正外資規制法(FIA)においては、外国人は従来投資規制のあったフィリピン国内市場向けのビジネスを展開する企業への100%出資が認められるようになり、たとえ中小規模のビジネスであっても外資100%の法人を設立・所有することが許可されました。

 

改正された小売自由化法(RTLA)においては、従来外資の小売業者に対して課されていた最低払込資本250万USドル(約3億円)を2,500万ペソ(5,700万円)に引き下げ、さらに1店舗あたりの最低投資額を1,000万ペソ(2,300万円)に引き下げ、外資の小売業への参入障壁を大幅に引き下げました。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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